過去問解説(企業経営理論)_2021年(令和3年) 第20問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(組織内パワーの理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(資源依存と権力構造)

第20問

組織における部門には、それぞれの目標や利害が存在するが、組織内で大きなパワーを有する部門は他部門よりも多くの予算を獲得したり、自部門にとって望ましくない他部門からの要求を排除することができる。このような部門の持つパワーの源泉に関する記述として、最も不適切なものはどれか。


組織が外部環境の重大な不確実性にさらされる場合、その不確実性に有効に対処できる部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
組織全体の目標を達成するために解決することが不可欠な組織内外の課題に対処する部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
組織の最終的なアウトプットに対して大きな影響を及ぼす部門は、他部門よりも大きなパワーを持つ。
部門Aが必要とする経営資源について、その資源を部門B以外から調達できない場合、部門Aは部門Bに対して大きなパワーを持つ。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:エ


解説

ア:×
 外部環境の不確実性に対応できる部門は、組織にとって重要性が高く、パワーを持ちやすい。記述は正しい。

イ:×
 組織目標達成に不可欠な課題に対応する部門は、組織内での影響力が高まり、パワーを持つ。記述は正しい。

ウ:×
 最終アウトプットに大きな影響を与える部門は、組織の成果に直結するため、パワーを持つ。記述は正しい。

エ:〇(不適切)
 部門Aが部門Bに依存している場合、パワーを持つのは「部門B」であり、依存している部門Aではない。記述は逆で不適切。


学習のポイント

  • 部門のパワーの源泉
    外部環境への対応力、組織目標への貢献度、アウトプットへの影響度などがパワーを左右する。
  • 資源依存理論の視点
    他部門に依存している部門は、依存先に対して弱い立場となり、パワーを持ちにくい。依存される側がパワーを持つ。
  • 試験対策のコツ
    「依存=弱い」「貢献=強い」と整理し、パワーの源泉を見極める。