過去問解説(企業経営理論)_2021年(令和3年) 第23問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(変革プロセスの整理)
  • 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(Kotterの8段階)

第23問

J.P.コッター(J. P. Kotter)の提唱した組織変革の 8 段階モデルによると、変革プロセスの各段階には変革を推進する場合に生じがちな独自の課題が存在し、目標とする変革を実現するために変革の推進者にはこれらの課題を克服することが求められる。
下図は、 8 段階モデルの各段階における課題を図示したものである。図の中の空欄A~Eに入る課題の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。


変革を推進するための8段階のプロセス
第1段階 A
第2段階 B
第3段階 ビジョンと戦略を生み出す
第4段階 変革のためのビジョンを周知徹底する
第5段階 C
第6段階 D
第7段階 成果を活かして、さらなる変革を推進する
第8段階 E

A:危機意識を高める/B:従業員の自発を促す/C:変革推進のための連帯チームを築く/D:短期的成果を実現する/E:新たな方法を企業文化に定着させる
A:危機意識を高める/B:変革推進のための連帯チームを築く/C:新たな方法を企業文化に定着させる/D:短期的成果を実現する/E:従業員の自発を促す
A:危機意識を高める/B:変革推進のための連帯チームを築く/C:従業員の自発を促す/D:短期的成果を実現する/E:新たな方法を企業文化に定着させる
A:変革推進のための連帯チームを築く/B:危機意識を高める/C:従業員の自発を促す/D:短期的成果を実現する/E:新たな方法を企業文化に定着させる
A:変革推進のための連帯チームを築く/B:危機意識を高める/C:短期的成果を実現する/D:新たな方法を企業文化に定着させる/E:従業員の自発を促す

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:ウ


解説

ア:×
 A=危機意識は正しいが、Bに「従業員の自発」を置くと第2段階(連帯チーム)が欠落。Cにも連帯チームを置いており順序が不整合。

イ:×
 Cに「文化定着」を置くのは誤り。文化定着は第8段階に対応し、Eに置く必要がある。

ウ:〇
 A(1段階):危機意識を高める、B(2段階):連帯チームを築く、C(5段階):従業員の自発を促す、D(6段階):短期的成果を実現する、E(8段階):新たな方法を企業文化に定着させる、で各段階と課題が整合する。

エ:×
 第1段階は「危機意識」、第2段階は「連帯チーム」。アサインが逆転している。

オ:×
 Cに「短期的成果」(第6段階)、Dに「文化定着」(第8段階)を置くため、順序が破綻する。


学習のポイント

  • Kotterの8段階の対応関係
    1危機意識/2連帯チーム/3ビジョン・戦略/4周知徹底/5自発促進(障害除去)/6短期的成果/7更なる変革推進/8文化定着。
  • 図の読み方(A~Eの位置づけ)
    A=第1段階、B=第2段階、C=第5段階、D=第6段階、E=第8段階として対応を確認する。
  • 誤配置の見抜き方
    文化定着は常に最終(第8段階)。短期的成果は第6段階。連帯チームは第2段階。これらがずれていれば誤り。
  • 試験対策のコツ
    「前半=準備(危機意識・連帯・ビジョン・周知)/後半=実行・定着(自発促進・短期成果・拡張・文化)」でブロック記憶する。