難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(サブスクと価格設計の基本)
- 正答率: ★★★★☆(正答率70%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(収益モデル・需給調整)
第32問
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
X社では、家電および家具の①サブスクリプション・サービスを開始することを検討している。その際、家具とは異なり家電の利用状況は毎月変動する可能性があるため、家電については利用動向に応じて料金が変動する②ダイナミック・プライシングを導入することを併せて検討している。
出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
- 設問1:ウ
- 設問2:ウ
解説(設問1)
ア:×
定額の提供が消費者にメリットがないとは限らない。利用頻度が高い層には費用の予見可能性や割安感が生まれ、店舗側には需要の平準化・継続関係の構築という利点がある。
イ:×
サブスクの目的は継続利用の促進と関係性の構築であり、必ずしもデジタル機能の付加を要しない。家具でも契約情報・利用期間・交換履歴などで十分に運営・分析は可能。
ウ:〇
サブスクは「期間定額での継続的提供」を指し、1か月契約のような短期でも、継続前提のサービス設計に含まれる。試用機会の拡大も典型的メリット。
エ:×
サブスクが常にリースより有利とは言えない。回転率、保守コスト、残存価値、解約率などモデルの前提により優劣は変わる。一律に有利とは断定できない。
解説(設問2)
ア:×
生活必需品へのダイナミック・プライシングは禁止されているわけではない。ただし倫理・レピュテーションの観点から配慮が必要で、乱用は非難を受ける。
イ:×
導入に自社構築は必須ではない。店舗でもオンラインでも、外部サービスやアルゴリズムを活用して段階料金・需給連動の設計は可能。
ウ:〇
オフピーク割引で混雑分散を狙うのは典型設計。相対的にピーク価格が高く見え、心理的反発は生じ得るが、需給調整の観点では適切な施策。
エ:×
席エリア別料金に加え、売れ行き(需要)に応じて価格を変えるのはまさにダイナミック・プライシング(収益最大化のイールドマネジメント)である。
学習のポイント
- サブスクの定義と範囲
定額×期間で継続提供するモデル。1か月など短期契約も含み、試用機会の拡大や関係性の強化につながる。 - サブスクとリースの違い
価格設定・保守費・回収・在庫回転・解約率で経済性が変動。常に有利ではなく、事業構造に応じて選択する。 - ダイナミック・プライシングの目的
需給に合わせ価格を調整し、混雑緩和・収益最大化・機会損失削減を図る。オフピーク割引は典型施策。 - レピュテーションへの配慮
生活必需品や災害時は価格変動が反発を招きやすい。透明性・上限設定・事前告知などで信頼を維持する。