難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(国際経営の基本類型整理)
- 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(国際戦略の典型分類)
問題文
C.A.バートレットとS.ゴシャールは、本国の本社と海外拠点間との分業関係や各拠点間の統合のあり方を基軸として、国際的に展開する企業の経営スタイルを、インターナショナル、グローバル、トランスナショナル、マルチナショナルの4つに分類している。
これら4つの類型の基本的な特性は、それぞれ次のようにまとめられる。
a 資産や能力は本国に集中して、その成果は世界規模で活用される。海外拠点は本国の本社の戦略を忠実に実行する。知識は本国で開発・保有される。
b コア・コンピタンスの源泉は本国に集中するが、その他は分散される。海外拠点は本社の能力を適用し、活用する。知識は本国で開発され、海外拠点に移転される。
c 資産や能力は各国の拠点に分散されるとともに、本社を含む各国の拠点は相互依存的であり、専門化されている。知識は各国の拠点で共同で開発され、世界中で共有される。
d 資産や能力は各国の拠点に分散され、それぞれ自己充足的に活動する。海外拠点は現地の機会を感知して、活用する。知識は各国の拠点で開発・保有される。
上述のa、b、c、dは、それぞれインターナショナル、グローバル、トランスナショナル、マルチナショナルのいずれに該当するか。それらの組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
〔解答群〕
ア | a:インターナショナル b:マルチナショナル c:グローバル d:トランスナショナル |
イ | a:グローバル b:インターナショナル c:トランスナショナル d:マルチナショナル |
ウ | a:グローバル b:トランスナショナル c:マルチナショナル d:インターナショナル |
エ | a:トランスナショナル b:グローバル c:インターナショナル d:マルチナショナル |
オ | a:マルチナショナル b:グローバル c:インターナショナル d:トランスナショナル |
出典:中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
正解:イ
a:グローバル
b:インターナショナル
c:トランスナショナル
d:マルチナショナル
解説
- a:グローバル
本国に資産・能力を集中し、成果を世界規模で活用。海外拠点は本社戦略を忠実に実行。知識は本国で開発・保有。 - b:インターナショナル
コア・コンピタンスは本国に集中し、その他は分散。知識は本国で開発され、海外拠点に移転。 - c:トランスナショナル
資産・能力は各国に分散し、相互依存的に専門化。知識は共同開発・世界共有。 - d:マルチナショナル
資産・能力は各国に分散し、自己充足的に活動。知識は各国で開発・保有。
学習のポイント
- インターナショナル型:本国中心、知識移転型。
- グローバル型:本国集中、世界展開。
- トランスナショナル型:分散+相互依存、知識共有。
- マルチナショナル型:分散+自己完結、現地適応。
- 試験対策のコツ
「グローバル=集中」「マルチ=分散・自己完結」「トランス=分散・相互依存」「インターナショナル=本国知識移転」と整理すると混乱しにくい。