過去問解説(企業経営理論)_2020年(令和2年) 第23問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(評価バイアスの種類整理)
  • 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
  • 重要度: ★★★☆☆(人事評価の基礎知識)

問題文

次の文章の空欄A~Cに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

採用や選抜、あるいは報酬配分の中で、管理者や人事担当者は、組織に所属する人々を評価しなければならないが、実際の評価の作業では、人間の認知能力に由来したバイアスが度々発生する。
例えば、評価対象の実態について体系的に把握できる自信がない評価者であるほど、人を甘めに評価するという A が見られることがある。また、自分の得意な分野を評価することになった評価者であるほど、 B に支配され、その分野について辛めの評価をすることがある。
さらには、実際に評価すべき項目は極めて多岐にわたるため、多くの評価者が、先に全体の評価結果を決めて、それに沿うように個別の項目の評価を行うことがある。このような評価バイアスを C と呼ぶ。

〔解答群〕

A:寛大化傾向  B:厳格化傾向  C:中心化傾向
A:寛大化傾向  B:対比誤差   C:逆算化傾向
A:寛大化傾向  B:対比誤差   C:中心化傾向
A:論理的誤差  B:厳格化傾向  C:中心化傾向
A:論理的誤差  B:対比誤差   C:逆算化傾向

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)


解答

正解:イ


解説

  • A:寛大化傾向
    評価者が自信を持てない場合、対象を甘めに評価する傾向。
  • B:対比誤差
    評価者が得意分野を評価すると、自分と比較して対象を厳しく見る傾向。
  • C:逆算化傾向
    先に全体評価を決め、それに合わせて個別項目を調整してしまうバイアス。

学習のポイント

  • 寛大化傾向:
    評価が全体的に甘くなる。特に自信のない評価者に多い。
  • 対比誤差:
    評価者自身の能力や得意分野と比較して、対象を過小評価する。
  • 逆算化傾向:
    全体評価を先に決め、個別評価を後付けで整合させる。
  • 試験対策のコツ:
    「寛大化=甘い」「対比=比較で厳しく」「逆算化=全体から項目へ」と整理して覚えると混乱しにくい。