難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(デジタル・マーケティングとクチコミ理解)
- 正答率: ★★★☆☆(正答率60%前後)
- 重要度: ★★★☆☆(現代マーケティングの必須知識)
問題文
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
マスメディアとさまざまなプロモーショナル・メディアを組み合わせたコミュニケーションを前提としてきた伝統的なマーケティングから、近年急速に①デジタル・マーケティングへのシフトが進んでいる。このシフトは、②消費者同士の情報交換がソーシャルメディアなどを介して盛んに行われるようになっていることに対応した動きでもある。
(設問 1)
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
(設問 2)
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|企業経営理論(PDF)
解答
- 設問1:ア
- 設問2:ア
解説
【設問1】
ア:〇
デジタル・マーケティングでは、顧客接点(タッチポイント)はオンライン上にも広がり、SNS、ECサイト、メール、アプリなど多様な形で設定される。
イ:×
ダイナミック・プライシングは航空券やホテル業界などで以前から存在しており、デジタル時代に初めて登場したものではない。
ウ:×
製品開発資金を多数の消費者から調達するのは「クラウドファンディング」であり、クラウドソーシングとは異なる。
エ:×
デジタル財は「複製可能性」「非競合性(他者が使っても価値が減らない)」「非空間性」が特徴。設問の「価値の毀損性」は誤り。
【設問2】
ア:〇
クチコミは、実際に経験しないと分からない「経験属性」に関する情報を多く含むため、消費者の意思決定に大きな影響を与える。
イ:×
ランキングや星評価は利便性を高める仕組みであり、利便性を低下させるものではない。
ウ:×
クチコミが蓄積される場は「オウンドメディア」ではなく、一般に「CGM(Consumer Generated Media)」や「レビューサイト」などと呼ばれる。オウンドメディアは企業が主体的に運営する媒体。
エ:×
ステルスマーケティング(企業が消費者を装う行為)は不適切であり、長期的利益を損なうリスクが高い。
学習のポイント
- デジタル・マーケティング
・タッチポイントはオンラインにも拡大。
・ダイナミック・プライシングはデジタル以前から存在。
・クラウドファンディングとクラウドソーシングを区別。
・デジタル財の特徴=複製可能性・非競合性・非空間性。 - クチコミの特徴
・経験属性に関する情報が豊富。
・ランキングや星評価は利便性を高める。
・オウンドメディアは企業主体、クチコミサイトは消費者主体。
・ステルスマーケティングは不適切。 - 試験対策のコツ
・「タッチポイント=オンライン拡大」が正解のポイント。
・「クチコミ=経験属性情報」が正解のポイント。
・用語の混同(クラウドソーシング/ファンディング、オウンドメディア/CGM)に注意。