過去問解説(財務・会計)_2024年(令和6年) 第14問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(WACCの分解計算)
  • 正答率: ★★★☆☆(税後負債コストと構成比の扱いがポイント)
  • 重要度: ★★★☆☆(資本コストの本質理解に直結)

問題文

A社の負債コストは2%、時価基準の負債比率(負債÷自己資本)は0.25、WACC(加重平均資本コスト)は6.28%である。A社の自己資本コストに含まれるリスクプレミアムとして、最も適切なものはどれか。なお、リスクフリー・レートは1%、法人税等の実効税率は30%である。

6.5%
6.9%
7.5%
7.9%

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:ア(6.5%)


解説

ア:〇
与件から自己資本コストをWACC式で逆算し、リスクプレミアム=自己資本コスト − リスクフリー・レートで求める。

イ:×
自己資本コストの算定で税後負債コストや資本構成比の扱いを誤った値。

ウ:×
これは自己資本コストそのもの(7.5%)であり、リスクプレミアムではない。

エ:×
構成比の誤認や税効果の未反映による過大評価。


計算ステップ

  • 前提の整理
    負債コスト(税前)=2%、税率=30% → 税後負債コスト=2% × (1 − 0.30) = 1.4%
    負債比率 D/E=0.25 → E=1、D=0.25と置くと、V=1.25
    E/V=0.8、D/V=0.2
  • WACCの分解
    WACC=(E/V)×Re+(D/V)×Rd(税後)
    6.28%=0.8×Re+0.2×1.4%
    0.2×1.4%=0.28% → 6.28% − 0.28%=6.00%=0.8×Re
    Re=6.00% ÷ 0.8=7.50%
  • リスクプレミアム
    リスクフリー・レート=1%
    リスクプレミアム=7.50% − 1.00%=6.50%

学習のポイント

WACCの税効果
負債の税盾を反映して「税後負債コスト」を用いる。

資本構成比の変換
D/Eが与えられたら、E=1、D=D/Eで置き、E/V・D/Vへ変換すると計算が安定する。

リスクプレミアムの定義
自己資本コストからリスクフリー・レートを差し引いた超過収益率。市場リスクを価格付けする核心部分。