過去問解説(財務・会計)_2024年(令和6年) 第17問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(投資評価の基本計算)
  • 正答率: ★★★☆☆(IRRとNPVの両視点を押さえる必要あり)
  • 重要度: ★★★☆☆(投資意思決定の代表的手法)

問題文

B社は、800百万円の初期投資を伴う投資案の実施を検討している。この事業を実施すれば、当期以降永続的に100百万円のキャッシュフローが毎期末に発生すると予想される。

この投資案に対する内部収益率法による採否と正味現在価値法による採否の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、資本コストは10%とする。

〔解答群〕

  • ア 内部収益率法:採択  正味現在価値法:採択
  • イ 内部収益率法:採択  正味現在価値法:不採択
  • ウ 内部収益率法:不採択 正味現在価値法:採択
  • エ 内部収益率法:不採択 正味現在価値法:不採択

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:ア(内部収益率法:採択 正味現在価値法:採択)


解説

ア:〇

  • 内部収益率(IRR)は、投資額と将来キャッシュフローの現在価値が等しくなる割引率。
  • 永続的に100百万円のCF → 永続年金の現在価値 = CF ÷ r
  • 投資額800百万円に対して、IRRは100 ÷ 800 = 12.5%
  • 資本コスト10%よりIRRが大きいため、IRR基準では採択。

さらに、NPVを計算すると:

  • NPV = −800 + (100 ÷ 0.10) = −800 + 1,000 = +200百万円
  • プラスなのでNPV基準でも採択。

よって両方の基準で採択となる。


イ:×
IRRは資本コストを上回っているため採択。NPVもプラスなので「不採択」は誤り。

ウ:×
IRRが資本コストを下回っていないため「不採択」は誤り。

エ:×
両方とも採択基準を満たしているため誤り。


学習のポイント

  • 内部収益率法(IRR)  投資の収益率を直接示す。資本コストより大きければ採択。
  • 正味現在価値法(NPV)  投資による価値増加額を示す。NPVがプラスなら採択。
  • 両者の関係  通常、単一の投資案ではIRRとNPVは同じ結論を導く。
     ただし、複数案比較やキャッシュフローの符号が複雑な場合には結論が異なることもある。