難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(投資評価の基本概念)
- 正答率: ★★★★☆(サンクコストと機会費用の理解があれば容易)
- 重要度: ★★★☆☆(投資意思決定の基礎)
問題文
投資プロジェクトの経済性評価に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
過去に購入した施設をプロジェクトに利用する場合、当該施設への過去の支出は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。
イ
既存機械を売却して新型機械を導入するプロジェクトの評価において、既存機械の売却見積額を考慮してはならない。
ウ
現在未利用の施設をプロジェクトに利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸料収入は、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。
エ
新製品プロジェクトにおいて、既存製品から新製品に顧客が移る、すなわち、「乗り換え」の影響を考慮してはならない。
出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:ア
解説
ア:〇
過去に購入した施設への支出は「サンクコスト(埋没費用)」であり、将来の意思決定に影響を与えない。
したがって、投資プロジェクトの評価において考慮してはならない。
イ:×
既存機械を売却する場合、その売却見積額は「機会費用」として考慮すべき。
考慮しないと正しい投資判断ができない。
ウ:×
未利用施設を利用する場合、他に賃貸した場合の賃貸収入は「機会費用」として考慮すべき。
考慮しないのは誤り。
エ:×
新製品導入によって既存製品の売上が減少する「カニバリゼーション(乗り換え効果)」は、投資評価において考慮すべき。
考慮しないのは誤り。
学習のポイント
- サンクコスト(埋没費用)
過去に支出済みで回収不能な費用。将来の意思決定には無関係。 - 機会費用
ある資源を利用することで失われる他の選択肢の利益。投資評価では必ず考慮する。 - カニバリゼーション
新製品導入による既存製品の売上減少。これも投資評価に含める必要がある。 - まとめ
投資評価では「将来キャッシュフローに影響する要素のみ」を考慮する。
過去の支出(サンクコスト)は無視し、機会費用や代替効果は必ず反映する。