難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(基礎指標の定義理解)
- 正答率: ★★★★☆(式の暗記で対応可能)
- 重要度: ★★★☆☆(運転資金管理の定番論点)
問題文
運転資金管理のための財務指標であるキャッシュ・コンバージョン・サイクルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
〔解答群〕
ア
売上債権回転率が低くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなる。
イ
キャッシュ・コンバージョン・サイクルは、マイナスの値になることはない。
ウ
仕入債務回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなる。
エ
棚卸資産回転期間が短くなると、キャッシュ・コンバージョン・サイクルは短くなる。
出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:エ
解説
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)は、
CCC = 棚卸資産回転期間(DIO)+ 売上債権回転期間(DSO) − 仕入債務回転期間(DPO)
で定義される。DIO・DSOが短くなればCCCは短縮、DPOが長くなればCCCは短縮(逆にDPOが短くなるとCCCは長期化)する。
- ア:×
売上債権回転率が低下(=回転期間が長期化)するとDSOは伸び、CCCは長くなる。短くはならない。 - イ:×
DPOがDSO+DIOを上回る場合、CCCはマイナスになり得る(仕入支払いより先に現金化できる状態)。 - ウ:×
仕入債務回転期間が短くなる(=支払いが早まる)とDPOが縮み、式の「−DPO」効果が弱まりCCCは長くなる。 - エ:〇
棚卸資産回転期間が短くなる(在庫滞留が減る)とDIOが縮み、CCCは短くなる。
学習のポイント
・CCC=DIO+DSO−DPO(在庫・売掛は短縮、買掛は伸長が望ましい)
・回転「率」と回転「期間」は逆方向に動く点に注意(率↓=期間↑)
・CCCがマイナスの場合は、資金繰り効率が高く、外部資金依存度が相対的に低い
・在庫圧縮と売掛回収の迅速化、買掛の適正な支払条件の確保がCCC改善の実務解