難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(投資評価基準の理解が必要)
- 正答率: ★★★☆☆(各評価手法の特徴を正しく押さえられるかがポイント)
- 重要度: ★★★★☆(投資意思決定の基本論点)
問題文
投資の評価基準に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a 回収期間が短いほど、内部収益率は高くなる。
- b 回収期間法では、回収後のキャッシュフローを無視している。
- c 正味現在価値法では、投資によって生じる毎年のキャッシュフローの符号が複数回変化する場合、異なるいくつかの値が得られる場合がある。
- d 内部収益率法を用いて相互排他的投資案を判定すると、企業価値の最大化をもたらさないことがある。
〔解答群〕
ア
aとb
イ
aとc
ウ
bとc
エ
bとd
オ
cとd
出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
正解:エ(bとd)
解説
- a:×
回収期間と内部収益率(IRR)は必ずしも比例関係にない。回収期間が短くてもIRRが低い場合や、その逆もあり得る。 - b:〇
回収期間法は投資額を回収するまでの期間に注目するが、回収後のキャッシュフローは無視するため、投資全体の収益性を正しく評価できない。 - c:×
複数のIRRが得られるのは「内部収益率法」であり、正味現在価値法(NPV法)では一意の値が得られる。したがって誤り。 - d:〇
内部収益率法は投資案の比較に用いると、規模の違いやキャッシュフローのタイミングの影響で、必ずしも企業価値最大化と一致しない場合がある。
学習のポイント
- 回収期間法
簡便だが、回収後のキャッシュフローを無視するため限界がある。 - 正味現在価値法(NPV法)
投資による価値増加を直接示すため、企業価値最大化の観点で最も合理的。 - 内部収益率法(IRR法)
投資の収益率を直感的に示すが、複数解やNPV法と矛盾する場合がある。 - 実務での活用
投資評価では、NPV法を基本とし、補助的にIRR法や回収期間法を用いるのが一般的。