過去問解説(財務・会計)_2022年(令和4年) 第21問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(投資評価基準の理解が必要)
  • 正答率: ★★★☆☆(各評価手法の特徴を正しく押さえられるかがポイント)
  • 重要度: ★★★★☆(投資意思決定の基本論点)

問題文

投資の評価基準に関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

  • a 回収期間が短いほど、内部収益率は高くなる。
  • b 回収期間法では、回収後のキャッシュフローを無視している。
  • c 正味現在価値法では、投資によって生じる毎年のキャッシュフローの符号が複数回変化する場合、異なるいくつかの値が得られる場合がある。
  • d 内部収益率法を用いて相互排他的投資案を判定すると、企業価値の最大化をもたらさないことがある。

〔解答群〕

aとb
aとc
bとc
bとd
cとd

出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:エ(bとd)


解説

  • a:×
    回収期間と内部収益率(IRR)は必ずしも比例関係にない。回収期間が短くてもIRRが低い場合や、その逆もあり得る。
  • b:〇
    回収期間法は投資額を回収するまでの期間に注目するが、回収後のキャッシュフローは無視するため、投資全体の収益性を正しく評価できない。
  • c:×
    複数のIRRが得られるのは「内部収益率法」であり、正味現在価値法(NPV法)では一意の値が得られる。したがって誤り。
  • d:〇
    内部収益率法は投資案の比較に用いると、規模の違いやキャッシュフローのタイミングの影響で、必ずしも企業価値最大化と一致しない場合がある。

学習のポイント

  • 回収期間法
    簡便だが、回収後のキャッシュフローを無視するため限界がある。
  • 正味現在価値法(NPV法)
    投資による価値増加を直接示すため、企業価値最大化の観点で最も合理的。
  • 内部収益率法(IRR法)
    投資の収益率を直感的に示すが、複数解やNPV法と矛盾する場合がある。
  • 実務での活用
    投資評価では、NPV法を基本とし、補助的にIRR法や回収期間法を用いるのが一般的。