過去問解説(財務・会計)_2020年(令和2年) 第12問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(財務比率の基礎理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(自己株式の影響を理解できるか)
  • 重要度: ★★★☆☆(資本政策・指標分析)

問題文

自己株式を現金で取得し、消却したとする。他の条件を一定とすると、これによる財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

a 固定比率は不変である。
b 自己資本利益率は向上する。
c 総資本利益率は不変である。
d 流動比率は悪化する。

〔解答群〕

aとb
aとc
bとc
bとd
cとd

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

正解:


解説

a:×
固定比率=固定資産/自己資本。自己株式の取得・消却により自己資本が減少するため、固定比率は上昇する。したがって「不変」ではない。

b:〇
自己資本利益率(ROE)=当期純利益/自己資本。自己株式の消却により自己資本が減少するため、分母が小さくなりROEは向上する。

c:×
総資本利益率(ROA)=当期純利益/総資産。自己株式取得により現金が減少し、総資産も減少するため、ROAは変化する可能性がある。「不変」ではない。

d:〇
流動比率=流動資産/流動負債。自己株式取得により現金(流動資産)が減少するため、流動比率は悪化する。


学習のポイント

  • 自己株式の取得・消却は「資産の減少」と「自己資本の減少」を同時に引き起こす。
  • ROEは分母(自己資本)が減るため上昇する。
  • 流動比率は流動資産が減るため悪化する。
  • 固定比率やROAも影響を受けるため「不変」とはならない。
  • 試験では「どの比率が改善・悪化するか」を整理して覚えることが重要。