過去問解説(財務・会計)_2020年(令和2年) 第16問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★☆☆☆☆(金利の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(定義と政策意図の理解)
  • 重要度: ★★★☆☆(マクロ政策の基本概念)

問題文

金利に関する記述として、最も不適切なものはどれか。

金融機関に資金を預けたときに、利息を支払わなければならない場合、これをマイナス金利という。
政策によってマイナス金利が現実のものとなるのは、日本の場合、市中銀行による日銀預け金に限定される。
マイナス金利によって、借入金利が下がり、企業の資金調達がしやすくなると期待される。
マイナス金利によるデフレーションに備えて、提供する財やサービスの価格を見直すことが求められる。

出典: 中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:

解説

ア:〇
マイナス金利は、預け手が利息を受け取るのではなく、預けることでコストがかかる状態を指す。定義として妥当。

イ:△
日本のマイナス金利政策は、日銀当座預金の一部に適用される仕組み(階層構造)で導入された。ただし、マイナス金利の影響は市場金利や債券利回りにも波及し、日銀預け金だけに「限定」されると断定するのは厳密には不適切だが、趣旨としては当座預金への適用を指すもの。

ウ:〇
マイナス金利は借入金利の低下を通じて投資・消費を促進し、資金調達環境の改善が期待される。

エ:×
マイナス金利は「デフレーションへの対応(脱デフレ)」を目的とした緩和策であり、マイナス金利そのものがデフレーションを招くとする前提は誤り。むしろ物価上昇圧力を高める方向を狙う政策であるため、この記述は不適切。


学習のポイント

  • マイナス金利の本質:預ける側にコスト、貸し出し側の金利低下を通じた景気刺激。
  • 日本の導入方式:当座預金の一部に適用しつつ、市場金利へ波及。
  • 目的:投資・消費の喚起、物価安定の目標(デフレ対応)。
  • 選択肢の見極めは「政策の方向性(緩和か引き締めか)」を押さえることが鍵。