過去問解説(財務・会計)_2019年(令和元年) 第10問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(意思決定会計)
  • 正答率: ★★★☆☆(差額原価分析がポイント)
  • 重要度: ★★★☆☆(自製か購入かの典型問題)

問題文

当社では、製品の製造に当たり必要な部品Xを1か月に300個自製しているが、A工業から当該部品を1個当たり19千円で販売したいという提案があった。自製の場合と購入の場合ではどちらがいくら有利であるか。次月の予算に関する以下の資料に基づき、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【資料】

変動費
@15千円 × 300個
4,500千円
固定費 2,300千円
合計 6,800千円

2.固定費には部品Xの製造に必要な特殊機械の賃借料900千円が含まれているが、部品Xを購入する場合には不要となる。

〔解答群〕

購入の方が200千円有利
購入の方が1,100千円有利
自製の方が300千円有利
自製の方が1,200千円有利

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:ウ(自製の方が300千円有利)

解説

  1. 自製の場合のコスト
  • 変動費:15千円 × 300個 = 4,500千円
  • 固定費:2,300千円(うち特殊機械賃借料900千円を含む)
  • 合計:6,800千円
  1. 購入の場合のコスト
  • 購入費用:19千円 × 300個 = 5,700千円
  • 固定費:2,300 − 900 = 1,400千円(特殊機械賃借料は不要)
  • 合計:7,100千円
  1. 差額の比較
  • 自製:6,800千円
  • 購入:7,100千円
  • 差額:300千円 → 自製の方が有利

選択肢の検討

  • ア:× 購入の方が200千円有利 → 計算誤り
  • イ:× 購入の方が1,100千円有利 → 固定費処理の誤り
  • ウ:〇 自製の方が300千円有利 → 正解
  • エ:× 自製の方が1,200千円有利 → 差額の誤算

学習のポイント

  • 自製か購入かの意思決定は「差額原価分析」で判断する。
  • 固定費のうち「回避可能固定費(avoidable cost)」は購入時に削減できる。
  • 回避不能固定費は意思決定に影響しない。
  • 本問では特殊機械賃借料900千円が回避可能固定費であり、これを考慮して比較するのがポイント。