難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(キャッシュフロー区分と指標の連動)
- 正答率: ★★★★☆(典型論点)
- 重要度: ★★★☆☆(資金の流れと比率の関係)
問題文
有形固定資産を売却することで得た資金の全額を、長期借入金の返済にあてたとする。他の条件を一定とすると、これによるキャッシュ・フロー計算書および財務比率への影響に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。
- a 財務活動によるキャッシュ・フローは減少する。
- b 自己資本比率は上昇する。
- c 投資活動によるキャッシュ・フローは減少する。
- d 流動比率は上昇する。
〔解答群〕
ア
aとb
イ
aとc
ウ
aとd
エ
bとc
オ
cとd
出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
- 正解:ア(aとb)
解説
ア:〇
固定資産売却で投資CFは増加(資金の受け取り)、その資金で長期借入金を返済すると財務CFは支出(減少)。返済により負債が減り、資産は固定資産が減るため総資産が縮小し、自己資本が不変なら自己資本比率は上昇。
イ:×
cは誤り(売却による投資CFは減少ではなく増加)。aは正しいが組み合わせ不適。
ウ:×
dは誤り。長期借入金の返済は流動負債に直接影響せず、売却資金を全額返済に充てるため期末の流動資産もネットで増えない前提では流動比率は上昇しない。
エ:×
bは正しいが、cは誤り。投資CFは売却で増加する。
学習のポイント
- キャッシュ・フロー計算書の区分:固定資産の売却は投資CFの「収入」、借入金の返済は財務CFの「支出」。
- 自己資本比率=自己資本/総資産。負債削減と固定資産減少で総資産が縮小しやすく、自己資本不変なら比率は上がる。
- 流動比率は流動資産/流動負債。長期負債の返済は原則流動比率に直結しない。