過去問解説(財務・会計)_2019年(令和元年) 第17問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(二資産ポートフォリオと相関)
  • 正答率: ★★★★☆(定義の理解で解ける)
  • 重要度: ★★★☆☆(分散効果の本質)

問題文

次の文章は、X、Yの2資産から構成されるポートフォリオのリターンとリスクの変化について、説明したものである。空欄A~Dに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

以下の図は、X、Yの2資産から構成されるポートフォリオについて、投資比率をさまざまに変化させた場合のポートフォリオのリターンとリスクが描く軌跡を、2資産間のが異なる4つの値について求めたものである。

X、Yののとき、ポートフォリオのリターンとリスクの軌跡は①に示されるように直線となる。なるにつれて、②、③のようにポートフォリオのリスクをより小さくすることが可能となる。

のとき、ポートフォリオのリスクをゼロにすることが可能となり、④のような軌跡を描く。

〔解答群〕

A:相関係数  B:-1  C:大きく  D:ゼロ
A:相関係数  B:+1  C:小さく  D:-1
A:ベータ値  B:ゼロ  C:大きく  D:+1
A:ベータ値  B:+1  C:小さく  D:-1

出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:イ(A:相関係数、B:+1、C:小さく、D:-1)

解説

  • A:相関係数
    二資産の組合せで軌跡の形を決めるのは相関係数。ベータ値は市場に対する相対感度であり、二資産間の組合せの形状とは関係しない。
  • B:+1(完全正の相関)
    相関が+1のとき、二資産の組合せは直線上に並び、分散効果は生じない。問題文の「①は直線」に一致。
  • C:小さく
    相関係数が+1から0、負へと「小さく」なるほど分散効果が高まり、同じ期待リターンでリスクをより低くでき、軌跡は②、③のように外側から内側(左側)へ膨らむ。
  • D:-1(完全負の相関)
    相関が-1のとき、適切な比率で組み合わせればリスク(標準偏差)をゼロにできる。④の軌跡の説明に一致。

学習のポイント

  • 分散効果は「相関が低いほど強い」。完全正の相関では効果ゼロ、完全負の相関では理論上リスクゼロが可能。
  • 二資産の組合せ軌跡は、相関+1で直線、-1で折れ線的にゼロリスク点を持ち、それ以外では内側へ湾曲する。
  • ベータ(SML)と相関(CML/効率的フロンティアの形状)は別の概念。混同しないこと。