難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(ROE分解と指標の意味)
- 正答率: ★★★★☆(用語の取り違えに注意)
- 重要度: ★★★☆☆(株価指標と簿価の関係)
問題文
金利に関する記述として、最も適切なものはどれか。
〔解答群〕
ア
将来の利払い額が変動するリスクを考慮すると、固定金利での借り入れが常に有利である。
イ
日本における短期金利の代表的なものとして、インターバンク市場で取引される公定歩合がある。
ウ
名目金利とは、実質金利から物価上昇率(インフレ率)を控除した金利水準を指す。
エ
歴史的に長期金利と短期金利では、長期金利の方が高い傾向にあるが、金利水準の低下局面では逆のケースも観察されている。
出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)
解答
- 正解:イ
解説
ア:×
1株当たり利益/株価は「利益利回り(Earnings Yield)」であり、加重平均資本コスト(WACC)とは別概念。
イ:〇
ROE=利益利回り×PBR。株価/1株当たり自己資本簿価(PBR)が小さくなっても、利益利回りが大きければROEは高くなるため、「ROEが低くなるとは限らない」という記述は正しい。
ウ:×
株価/1株当たり自己資本簿価は「PBR(株価純資産倍率)」であり、PER(株価収益率)ではない。
エ:×
ROEが利益利回りを上回る場合でも、株価が自己資本簿価より小さいとは限らない。PBRの値次第で関係は変わる。
学習のポイント
- ROEの分解式:ROE=利益利回り(Earnings Yield)×PBR。
- 利益利回り:1株当たり利益/株価。投資家が株価に対してどれだけ利益を得ているかを示す。
- PBR(株価純資産倍率):株価/1株当たり自己資本簿価。株価が簿価に対してどれだけ評価されているかを示す。
- PERとの違い:PER=株価/1株当たり利益。PBRと混同しないこと。
- 実務的意義:ROEは企業の収益性を示す重要指標であり、投資判断や株価評価に直結する。