過去問解説(財務・会計)_2019年(令和元年) 第23問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(投資評価の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(用語の整理)
  • 重要度: ★★★☆☆(意思決定指標の理解)

問題文

投資評価基準に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

会計的投資利益率法に使われる会計利益には減価償却費を計算に入れない。
回収期間法における回収期間とは、プロジェクトの経済命数のことである。
正味現在価値はパーセントで表示される。
正味現在価値法と内部収益率法は共にDCF法であるが、同一の結論を導くとは限らない。

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|財務・会計(PDF)

解答

  • 正解:エ

解説

ア:×
会計的投資利益率法(ARR)は「会計利益」を用いる指標であり、減価償却費は会計利益の算出に含まれる。減価償却を除外するのはキャッシュフロー計算の文脈。

イ:×
回収期間法の「回収期間」は、初期投資がキャッシュフローの累積で回収されるまでの年数であり、プロジェクトの経済命数(耐用年数)そのものではない。

ウ:×
正味現在価値(NPV)は「金額」で表示される。パーセントで表示されるのは内部収益率(IRR)などの利率指標。

エ:〇
NPV法とIRR法はいずれもDCFに基づくが、キャッシュフローの規模差、タイミング差、複数解(非通常キャッシュフロー)、相互排他案件などで結論が一致しない場合がある。


学習のポイント

  • ARR:会計利益ベース。減価償却を含む会計利益を用いる。
  • 回収期間法:初期投資の回収年数。時間価値を考慮しない単純法では割引を行わない。
  • NPV vs IRR:NPVは金額、IRRは割合。相互排他案件ではNPV優先が原則。