過去問解説(運営管理)_2024年(令和6年) 第6問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(標準時間設定法の基礎)
  • 正答率: ★★★★☆(用語の正確な理解)
  • 重要度: ★★★☆☆(作業測定と改善の基盤)

問題文

標準時間の設定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

MTM法では、移動動作と終局動作を組み合わせた1つのモジュールとして作業者の動作を分析し、標準時間を設定する。
経験見積り法では、精度を高めるために、作業経験が豊富な熟練者を観測対象として標準時間を設定する。
実績資料法では、作業の実績記録を基にした時間資料を用い、作業の難易度を考慮して標準時間を設定する。
標準時間資料法では、作業時間と変動要因との関係を、数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する。
標準時間を設定する際に考慮される余裕は、作業余裕と用達余裕からなる管理余裕と、職場余裕と疲労余裕からなる人的余裕によって構成される。

出典: 中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:エ

解説

ア:×
MTM(Methods-Time Measurement)は到達・把持・移動・離脱などの「基本動作」へ分解し、既知の既定時間で積上げる手法。モジュールの組合せ分析とは言わない(それはMODAPTSに近い考え方)。

イ:×
経験見積り法は、過去の経験や類似作業の知見に基づく「見積り」で設定する。熟練者を「観測対象」として時間測定するのはストップウォッチ法などの観測系であり、経験見積り法の説明として不適切。

ウ:×
実績資料法は過去の実績データから標準時間を推定するが、一般説明として「難易度考慮」を強調するより、実績平均や補正(作業余裕等)で標準化するのが基本。設問群の中では正答には該当しない。

エ:〇
標準時間資料法(標準データ法)は、作業時間と変動要因(長さ・重量・個数など)の関係を数式・図・表に体系化した標準資料を用いて、個別作業の標準時間を算定する。

オ:×
余裕の典型分類は「人的余裕(疲労・用達)」「作業余裕」「職場余裕」などであり、記述のグルーピング(管理余裕/人的余裕)は誤り。


学習のポイント

  • 標準時間の代表的手法: 作業観測(時間研究)、PMTS(MTM等)、標準時間資料法、実績資料法、経験見積り法を区別する。
  • MTMの本質: 動作を基本要素に分解し既定時間で積上げる。モジュールという表現は不適切。
  • 標準時間資料法: 変動要因との関係式・表を活用して迅速・一貫した算定ができる。
  • 余裕の分類: 人的(疲労・用達)、作業、職場の枠組みで捉える。用語の混同に注意。