難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★☆☆☆(基本知識の組み合わせ。やや思考を要する)
- 正答率:★★★★☆(正答率70〜90%。比較的易しい)
- 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結)
問題文
以下の会話は、レストランを立ち上げる予定の甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。この会話の中の空欄①と②には、あなたの発言として a~f の記述のいずれかが入る。各空欄に該当する記述の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
甲氏:「うちのシンボルとして、鳥が飛び立って着地し、これと同時にうちの店名を表す文字が現れる10秒くらいの動きを、商標として登録することはできますか。」
あなた:「①。」
a 商標登録できるのは静止した商標のみであり、動いているものは商標登録できません
b 文字を含んだ動き商標を登録することは、制度上認められています
c 文字を含んだ動き商標は商標として登録できませんが、文字を含まない形での鳥の動きであれば、動き商標として登録できます
甲氏:「私が製作したオリジナルの女の子の人形を店の前に設置します。この人形の胴体には店名が入っています。これを商標登録することはできますか。」
あなた:「②。」
d 商標は平面的なものに限られるので、人形のような立体的形状は商標登録の対象とはなりません
e 人形のような立体的形状は商標登録の対象になります。文字を含んだ立体商標を登録することも、制度上認められています
f 文字を含んだ立体商標は登録できませんが、文字を含まない形での立体商標であれば、登録できます
〔解答群〕
ア ①:a ②:d
イ ①:b ②:e
ウ ①:c ②:e
エ ①:c ②:f
出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)
解答
正解:イ
解説
ア:✕
動き商標は制度上認められており、静止した商標に限られるわけではない。
イ:〇
動き商標は、文字を含む場合でも登録可能である。また、立体商標も制度上認められており、文字を含んだ立体商標の登録も可能である。
ウ:✕
文字を含んだ動き商標も登録可能であるため、「文字を含む動き商標は登録できない」という前提が誤り。
エ:✕
立体商標は文字を含んでも登録可能であるため、「文字を含んだ立体商標は登録できない」という記述は誤り。
学習のポイント
- 商標法では、文字・図形・記号などの静止商標だけでなく、動き商標、ホログラム商標、色彩のみからなる商標、音商標なども登録可能。
- 動き商標は、文字を含む場合でも登録できる。
- 立体商標は、商品の形状や包装など立体的形状を対象とし、文字を含む場合でも登録可能。
- 新しいタイプの商標制度は2015年の法改正で導入されており、出題頻度も高い。