過去問解説(運営管理)_2023年(令和5年) 第32問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★☆☆☆(時系列データの4変動を知っていれば即答可能)
  • 正答率:★★★★☆(基本用語の定義を問う問題)
  • 重要度:★★★★☆(需要予測の基礎として重要)

問題文

時系列データを用いた需要予測を行う際には、時系列データの変動要素を理解することが重要である。十分な期間が存在する時系列データの変動は、傾向変動、循環変動、季節変動、不規則変動の4種類の要素に分解することができる。

これらの変動要素のうち、季節変動に関する記述として、最も適切なものはどれか。

〔解答群〕

季節調整値は、原数値に季節変動を付加した値である。
季節変動の要因の1つは、景気の好況あるいは不況によって繰り返される変動である。
季節変動の要因の1つは、突発的な需要変動である。
季節変動は、1年を周期とする変動である。
季節変動は、長期間にわたって一方的な増加または減少の方向を持続する変動である。

出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:エ

解説

需要予測における「時系列データの変動要因分解」に関する問題である。主な4つの変動(傾向変動、循環変動、季節変動、不規則変動)の定義を理解しているかが問われている。

ア:×
季節調整値とは、原系列(元のデータ)から季節変動の影響を取り除いた(除去した)値のことである。「季節変動を付加した」という記述は逆であり、誤りである。

イ:×
景気の好況あるいは不況によって繰り返される変動は、「循環変動(Cyclical Variation)」の説明である。通常、数年から数十年の周期で現れる波を指す。

ウ:×
突発的な需要変動は、「不規則変動(Irregular Variation)」の説明である。天災、ストライキ、キャンペーンなど、予測不可能な偶発的要因による変動を指す。

エ:〇
季節変動(Seasonal Variation)は、1年を周期とする変動のことである。季節(春夏秋冬)、月、曜日、祝祭日など、暦の周期(1年以内)に従って繰り返される変動を指すため、この記述が最も適切である。

オ:×
長期間にわたって一方的な増加または減少の方向を持続する変動は、「傾向変動(Trend Variation)」の説明である。人口動態やライフスタイルの変化などによる長期的なトレンドを指す。


学習のポイント

  • 時系列データの4つの変動要因
  • 傾向変動(Trend):長期間にわたる上昇・下降の傾向。
  • 循環変動(Cycle):景気循環など、周期が1年を超える波動。
  • 季節変動(Seasonal):1年周期で繰り返される規則的な変動。
  • 不規則変動(Irregular):上記3つに当てはまらない偶発的な変動。
  • 季節調整(Seasonal Adjustment)
  • 季節による変動(例:ビールは夏に売れる)が含まれていると、実質的な売上の伸び(トレンド)が見えにくくなる。そのため、季節変動分を取り除いて分析しやすくした数値を「季節調整値」という。