難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(アソシエーション分析の基本計算)
- 正答率: ★★★☆☆(支持度・信頼度・ジャッカード・リフトの理解)
- 重要度: ★★★★☆(ID-POS活用・併買分析に直結)
問題文
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
独自のオンラインサイトでネットショップを運営している、ある小売業の一定期間における顧客の購買状況を確認したところ、この期間におけるユニークな全購買者数は 144 人であった。
当該ネットショップの取り扱い商品のうち、A~Dの4つの商品についてのみ考慮すると、その購買状況は下表のとおりであった。また、商品Aまたは商品Bを購買している顧客は、商品Cや商品Dの購買はなかったとする。この小売業では商品A~Dについて、全購買者数をベースとした商品購買における相関ルールを検討し、今後の商品プロモーションに活用したいと考えている。

(設問1)
以下の記述のうち、最も適切なものはどれか。
ア
支持度(サポート)の値は、商品Aと商品Dで同じである。
イ
商品Aからみた商品Bの信頼度(コンフィデンス)は、商品Bからみた商品Aの信頼度(コンフィデンス)より大きい。
ウ
商品Aと商品Bのジャッカード係数は、商品Cと商品Dのジャッカード係数より小さい。
エ
商品Bの支持度(サポート)の値は、4つの商品の中で最小である。
オ
商品Cからみた商品Dの信頼度(コンフィデンス)は、商品Dからみた商品Cの信頼度(コンフィデンス)より小さい。
(設問2)
商品Aと商品Bを併買した購買パターンのリフト値として、最も適切なものはどれか。
ア
1/4
イ
5/12
ウ
5/4
エ
3
オ
5/3
出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 設問1:エ
- 設問2:オ
前提計算
- 全購買者数: 144
- A購買者数: 26(Aのみ)+10(AとB)=36
- B購買者数: 14(Bのみ)+10(AとB)=24
- C購買者数: 18(Cのみ)+8(CとD)=26
- D購買者数: 26(Dのみ)+8(CとD)=34
- A∩B: 10、C∩D: 8
解説(設問1)
- ア:×
support(A)=36/144=1/4、support(D)=34/144≠1/4。等しくない。 - イ:×
confidence(A→B)=10/36=5/18、confidence(B→A)=10/24=5/12。A→Bの方が小さい。 - ウ:×
J(A,B)=10/(36+24−10)=10/50=0.2、J(C,D)=8/(26+34−8)=8/52≈0.1538。A,Bの方が大きい。 - エ:〇
support(B)=24/144=1/6。A=1/4、C=26/144、D=34/144より最小。 - オ:×
confidence(C→D)=8/26≈0.3077、confidence(D→C)=8/34≈0.2353。C→Dの方が大きい。
解説(設問2)
- 定義: lift(A,B) = support(A∩B) / (support(A) × support(B))
- support(A∩B): 10/144
- support(A): 36/144 = 1/4
- support(B): 24/144 = 1/6
- 計算:
10/144 ÷ (1/4 × 1/6)
= 10/144 ÷ (1/24)
= 10/144 × 24
= 240/144
= 5/3
→ 最も適切なのは 5/3(オ)。
学習のポイント
- 支持度(support): 事象の発生割合(全購買者を分母)。
- 信頼度(confidence): P(Y|X)=support(X∩Y)/support(X)。方向で値が変わる。
- ジャッカード係数: |X∩Y| / |X∪Y|(重複を除いた結合集合)。
- リフト(lift): 同時発生が独立仮定よりどれだけ強いかの尺度。1を超えれば正の関連。
- 前提の効用: 「A/Bの購買者はC/Dを買わない」条件で集合が分離し、計算が明確になる。