過去問解説(運営管理)_2023年(令和5年) 第40問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(顧客分析の基本指標の理解)
  • 正答率: ★★★★☆(RFMの定義が分かれば確実に正答可能)
  • 重要度: ★★★★☆(CRM設計・ロイヤル顧客抽出の基礎)

問題文

あるスーパーマーケットでは、直近3年分の ID-POS データ、およびそれに連動した顧客属性データを蓄積している。いま、このスーパーマーケットでは、CRM を強化するため、購買金額や購買頻度などからロイヤルカスタマーを定義したいと考えている。

このとき、ロイヤルカスタマーを定義する方法に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、以下の方法を実行する際に必要となるデータ項目は、すべて利用可能であるとする。

〔解答群〕

ID-POS データから RFM 分析を行い、適切な分割数を設定していずれの項目でもランクの高い顧客をロイヤルカスタマーとして定義する。
ID-POS データから、各商品の売上金額ベースの ABC 分析を行い、Aランクの商品のみを購買している顧客をロイヤルカスタマーとして定義する。
各顧客について日別の購買金額を算出し、全期間における標準偏差を計算する。この標準偏差の値でデシル分析を行い、最も標準偏差の大きな顧客群をロイヤルカスタマーとして定義する。
顧客属性データから、顧客の年齢と性別のデータを用いて、k平均法で 10 のクラスターを形成し、顧客の所属が最も多いクラスターをロイヤルカスタマーとして定義する。
顧客属性データから、顧客の年齢のデータを用いてデシル分析を行い、年代層が一番高い顧客群をロイヤルカスタマーとして定義する。

出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:ア

解説

  • ア:〇
    RFM分析は「Recency(直近購買)・Frequency(購買頻度)・Monetary(購買金額)」の3指標で顧客をランク化し、総合的に上位の顧客をロイヤルカスタマーとして定義する標準的手法。
  • イ:×
    ABC分析は商品別売上の集中度を見る手法であり、顧客の価値評価には直接適合しない。「Aランク商品のみ購買」の条件はロイヤル顧客の定義として妥当性が低い。
  • ウ:×
    購買金額の標準偏差が大きい顧客は変動が大きいだけであり、ロイヤルとは限らない。ロイヤル定義に適切な指標はR・F・M。
  • エ:×
    年齢・性別のみのクラスタリングで「人数が最も多いクラスター」をロイヤルとするのは、価値評価の観点が欠落。購買行動指標を含める必要がある。
  • オ:×
    年齢の高低のみでロイヤル定義するのは不適切。顧客価値は年齢ではなく購買行動(R・F・M)で評価する。

学習のポイント

  • RFMの本質:R(直近性)・F(頻度)・M(金額)の総合評価で顧客価値を捉える。ロイヤルは各指標で高ランクの層。
  • 指標選定の妥当性:商品軸のABCや年齢だけの分類は「顧客価値」を直接評価しないため、ロイヤル定義に不向き。
  • 実務の設定:分割数(例:5段階)や重み付け、スコア合算の基準を業態に合わせて設計すると運用しやすい。