難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(t検定の計算と判断)
- 正答率: ★★★☆☆(統計的検定の基本理解が必要)
- 重要度: ★★★★☆(品質管理・工程改善の基礎統計)
問題文
統計的検定に関する以下の文章の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、検定においては、下の t 表を使用すること。
ある製品特性の平均値は 65.5 である。この特性について、技術部門で新しい生産条件を設定して実験し、9 個のサンプルを得た。その平均値は 71.0、標準偏差は 9.0 であった。生産条件の変更によって特性の平均値が上がったか否かを、有意水準 5%で t 検定したところ、検定統計量の値は A 。これより、生産条件の変更によって平均値は上がったと B 。
t 表
| 自由度 | 上側 5%点 |
|---|---|
| 1 | 6.314 |
| 2 | 2.920 |
| 3 | 2.353 |
| 4 | 2.132 |
| 5 | 2.015 |
| 6 | 1.943 |
| 7 | 1.895 |
| 8 | 1.860 |
| 9 | 1.833 |
| 10 | 1.812 |
〔解答群〕
ア
A:1.833 以上となった B:いえる
イ
A:1.833 より小さくなった B:いえない
ウ
A:1.860 以上となった B:いえる
エ
A:1.860 より小さくなった B:いえない
オ
A:1.860 より小さくなった B:いえる
出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 正解:エ
解説
- 検定統計量の計算:
標本平均:71.0
母平均(既存条件の平均):65.5
標準偏差:9.0
標本サイズ:9個 検定統計量(t値)は次のように求めます:
(標本平均 − 母平均)÷(標準偏差 ÷ √標本サイズ)
→ (71.0 − 65.5)÷(9.0 ÷ 3)= 5.5 ÷ 3.0 = 約1.833 - 自由度は「標本サイズ − 1」なので 8。
t表の自由度8に対応する上側5%点は「1.860」。
検定統計量1.833はこれより小さいため、有意差は認められず「平均値が上がったとはいえない」。 - よって、空欄Aは「1.860より小さくなった」、空欄Bは「いえない」が正しく、選択肢エが正解。
学習のポイント
- t検定の流れ:
① 検定統計量を計算する
② 自由度に応じた臨界値(t表)と比較する
③ 検定統計量が臨界値以上なら「有意差あり」、未満なら「有意差なし」 - 片側検定の判断:
「平均値が上がったか」を問う場合は片側検定(上側)となる。 - 有意水準と臨界値の関係:
有意水準5%では、検定統計量が臨界値を超えない限り、帰無仮説(変化なし)を棄却できない。 - 試験対策:
計算式だけでなく「検定統計量と臨界値の比較 → 判断」の流れを確実に押さえることが重要。