過去問解説(運営管理)_2022年(令和4年) 第5問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(t検定の計算と判断)
  • 正答率: ★★★☆☆(統計的検定の基本理解が必要)
  • 重要度: ★★★★☆(品質管理・工程改善の基礎統計)

問題文

統計的検定に関する以下の文章の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、検定においては、下の t 表を使用すること。

ある製品特性の平均値は 65.5 である。この特性について、技術部門で新しい生産条件を設定して実験し、9 個のサンプルを得た。その平均値は 71.0、標準偏差は 9.0 であった。生産条件の変更によって特性の平均値が上がったか否かを、有意水準 5%で t 検定したところ、検定統計量の値は 。これより、生産条件の変更によって平均値は上がったと

t 表

自由度上側 5%点
16.314
22.920
32.353
42.132
52.015
61.943
71.895
81.860
91.833
101.812

〔解答群〕

A:1.833 以上となった    B:いえる
A:1.833 より小さくなった  B:いえない
A:1.860 以上となった    B:いえる
A:1.860 より小さくなった  B:いえない
A:1.860 より小さくなった  B:いえる

出典: 中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:エ

解説

  • 検定統計量の計算:
    標本平均:71.0
    母平均(既存条件の平均):65.5
    標準偏差:9.0
    標本サイズ:9個 検定統計量(t値)は次のように求めます:
    (標本平均 − 母平均)÷(標準偏差 ÷ √標本サイズ)
    → (71.0 − 65.5)÷(9.0 ÷ 3)= 5.5 ÷ 3.0 = 約1.833
  • 自由度は「標本サイズ − 1」なので 8。
    t表の自由度8に対応する上側5%点は「1.860」。
    検定統計量1.833はこれより小さいため、有意差は認められず「平均値が上がったとはいえない」。
  • よって、空欄Aは「1.860より小さくなった」、空欄Bは「いえない」が正しく、選択肢エが正解。

学習のポイント

  • t検定の流れ
    ① 検定統計量を計算する
    ② 自由度に応じた臨界値(t表)と比較する
    ③ 検定統計量が臨界値以上なら「有意差あり」、未満なら「有意差なし」
  • 片側検定の判断
    「平均値が上がったか」を問う場合は片側検定(上側)となる。
  • 有意水準と臨界値の関係
    有意水準5%では、検定統計量が臨界値を超えない限り、帰無仮説(変化なし)を棄却できない。
  • 試験対策
    計算式だけでなく「検定統計量と臨界値の比較 → 判断」の流れを確実に押さえることが重要。