難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(直交配列と交互作用の理解)
- 正答率: ★★☆☆☆(線点図の読み取り力が問われる)
- 重要度: ★★★☆☆(実験計画法の基礎)
問題文
以下の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
ある工作機械において、現行の加工条件よりさらに良い条件を探すため、2水準系のL8直交配列表を用いた実験を計画することとなった。調べたい因子および交互作用は、以下のとおりである。
- 因子:A、B、C、D
- 交互作用:A#B、A#C

(設問1)
以下の標準的な線点図を用いて、因子Aを1列目、因子Bを2列目に割り付けるとき、3列目~7列目に割り付く因子、交互作用、誤差の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ア
3列目:A#B 4列目:C 5列目:A#C 6列目:誤差 7列目:D
イ
3列目:A#B 4列目:D 5列目:A#C 6列目:誤差 7列目:C
ウ
3列目:A#B 4列目:誤差 5列目:C 6列目:D 7列目:A#C
エ
3列目:C 4列目:A#C 5列目:誤差 6列目:D 7列目:A#B
オ
3列目:C 4列目:D 5列目:A#B 6列目:A#C 7列目:誤差
設問2
実験の結果を分散分析し、下表を得た。平均平方および分散比を計算して検定をした結果、有意水準5%(下表右参照)で有意となる要因の数として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。なお、分散比計算後、プーリングは行わないこととする。

〔解答群〕
ア
0
イ
1
ウ
2
エ
3
オ
6
出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)
解答
- 設問1:ア
- 設問2:ア
解説 (設問1)
- L8直交配列表は、2水準の因子を最大7列まで割り付け可能な実験計画法の代表的な配列。
- 線点図を用いて交互作用の割り付けを行う際、交互作用列は対応する因子列の論理積(XOR)で決定される。
- 例:A#B → 列1と列2のXOR → 列3
- A#C → 列1と列4のXOR → 列5
- 残りの列には因子C、D、誤差を割り付ける。誤差は交互作用以外の未使用列に割り当てるのが一般的。
解説 (設問2)
- 各要因の分散比(F値)は「平均平方 ÷ 誤差の平均平方」で求める。誤差の平方和=4、自由度=1 → 平均平方=4。
- 各要因のF値は以下の通り:
A:6 ÷ 4 = 1.5(F(1,1;0.05)=161 → 有意でない)
B:25 ÷ 4 = 6.25(F(1,2;0.05)=18.5 → 有意でない)C:3 ÷ 4 = 0.75(F(1,3;0.05)=10.1 → 有意でない)D:21 ÷ 4 = 5.25(F(1,4;0.05)=7.71 → 有意でない)A#B:2 ÷ 4 = 0.5(F(1,5;0.05)=6.61 → 有意でない)A#C:2 ÷ 4 = 0.5(F(1,6;0.05)=5.99 → 有意でない) - すべての要因でF値が有意水準の閾値を下回っており、有意な要因は存在しない。
学習のポイント
- 交互作用の割り付け:交互作用列は因子列の論理積で決定。線点図を活用して正確に割り付ける。
- L8直交配列の構造:7列に因子・交互作用・誤差を割り付ける。因子数と交互作用数に応じて列を選定。
- 誤差の扱い:誤差は交互作用に割り付けない列に配置し、分散分析の残差として活用される。
- 実験計画法の目的:少ない試行で因子の影響を効率的に分析するための手法。品質管理や工程改善に有効。
- 分散分析(ANOVA):要因の影響を検定するために、分散比(F値)を用いる。
- F値の計算:平均平方 ÷ 誤差平均平方。誤差の自由度と平方和から誤差平均平方を算出。
- 有意水準とF分布:自由度に応じたF分布の臨界値と比較して、有意かどうかを判断。
- プーリングなしの検定:誤差項を固定し、交互作用や主効果を個別に評価する。