過去問解説(運営管理)_2021年(令和3年) 第16問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(職務設計の基本理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(用語と目的の整理で得点可能)
  • 重要度: ★★☆☆☆(人的資源管理の基礎)

問題文

職務設計に関する記述として、最も適切なものはどれか。

職務設計においては、高生産性と同時に作業者のモラールの向上が実現されるように、作業者に分担させる仕事の内容を計画しなければならない。
職務設計においては、作業者の心理的要因を十分考慮し、「仕事を人に合わせる」という考え方ではなく「仕事に人を合わせる」というアプローチが必要とされる。
多工程持ちは変種変量生産への対応において効果的な方策であるが、作業者には負担感が大きく、モラールを低下させる1つの要因となる。
フォードシステムを導入することにより、流れ作業と分業化によって作業の効率化が進められると同時に、職務拡大や職務充実が図られる。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:ア
    (高生産性とモラール向上の両立を目指す職務設計)

解説

  • ア:〇
    職務設計は、作業者に分担させる仕事の内容を計画する活動であり、効率性(生産性)と人間性(モラールや満足感)の両立が重要な目的。職務拡大・職務充実・職務輪番などの手法が用いられる。
  • イ:×
    「仕事に人を合わせる」ではなく、「人に仕事を合わせる」ことが職務設計の基本。作業者の心理的・身体的特性を考慮する。
  • ウ:×
    多工程持ちは、変種変量生産に柔軟に対応できるだけでなく、作業者のスキル向上やモラール向上にも寄与する。負担感が大きいとは限らない。
  • エ:×
    フォードシステムは流れ作業と分業による効率化を目的とするが、職務拡大や職務充実とは逆の方向性。単純作業の繰り返しによるモラール低下の懸念もある。

学習のポイント

  • 職務設計は「人間中心設計」の考え方が重要。作業者の満足感・達成感・成長機会を重視する。
  • 職務拡大(horizontal)と職務充実(vertical)の違いを理解する。
  • フォード式の流れ作業は効率重視だが、人的側面では課題も多い。
  • 多工程持ちやセル生産は、柔軟性とモラール向上の両立を図る設計手法。