難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★☆☆☆(基本知識の組み合わせ。やや思考を要する。)
- 正答率:★★★★☆(正答率70〜90%。比較的易しい。)
- 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)
問題文
不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
景表法第5条第1号に規定するいわゆる優良誤認表示とは、商品・役務の価格その他の取引条件についての不当表示を意味する。
イ
広告であるにもかかわらず広告であることを隠すこと(いわゆるステルスマーケティング)は、景表法の規制対象に含まれている。
ウ
口頭でのセールストークは、景表法上の「表示」に含まれない。
エ
不動産の取引に関する広告については、取引の申出に係る不動産が存在すれば、実際には取引する意思がなかったとしても、景表法違反にはならない。
出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)
解答
正解:イ
解説
ア:✕
優良誤認表示は、商品・役務の品質、規格その他の内容について、実際よりも著しく優良であると誤認させる表示をいう。価格や取引条件に関する不当表示は「有利誤認表示」に該当するため、本肢は誤り。
イ:〇
ステルスマーケティング(広告であることを隠す表示)は、消費者に広告であることを認識させずに宣伝する行為であり、景表法の不当表示規制の対象に含まれる。2023年の改正により明確化された。
ウ:✕
景表法上の「表示」には、口頭によるものも含まれる。したがって、口頭セールストークも規制対象となり得る。
エ:✕
実際に取引する意思がないにもかかわらず広告を行うことは、「おとり広告」として景表法違反となる。不動産取引も例外ではない。
学習のポイント
- 景表法の不当表示類型は大きく「優良誤認表示」「有利誤認表示」「その他指定告示による表示」に分かれる。
- ステルスマーケティングは近年の改正で明確に規制対象化され、事業者は広告である旨を明示する必要がある。
- 「表示」には口頭も含まれ、広告媒体や形式を問わず規制される。
- 「おとり広告」は典型的な違反例であり、実際に取引する意思や準備がない場合は違法となる。