過去問解説(運営管理)_2021年(令和3年) 第28問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(人時生産性の定義と計算力)
  • 正答率: ★★☆☆☆(改善効果の比較が鍵)
  • 重要度: ★★★☆☆(店舗運営の効率化指標)

問題文

下表は、店舗Xにおける1日の作業全体をまとめたものである。この表に基づく以下の【人時生産性の改善策】A~Dに関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
ただし、改善策による売上高・粗利益額の変動はないものとして答えよ。

【人時生産性の改善策】

自動発注システムを導入し、発注の担当人数を1人減らす。
商品陳列に段ボール陳列やシェルフレディパッケージを導入して、1人当たりの作業時間を25%削減する。
セルフレジを導入してレジ接客の担当人数を1人減らし、1人当たりの作業時間を20%削減する。
清掃ロボットを導入して清掃の1人当たりの作業時間を50%削減する。

〔解答群〕

AからDのすべての改善策を行うと、全体の人時生産性は2倍以上に高まる。
改善策Aと改善策Bを同時に行う場合と、改善策Cと改善策Dを同時に行う場合とで人時生産性の改善効果は同じである。
改善策Bと改善策Dの人時生産性の改善効果は同じである。
改善策Bと改善策Dを同時に行う場合の人時生産性の改善効果は、改善策Cを単独で行うよりも大きい。
人時生産性の改善効果が最も高いのは、改善策Aである。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|運営管理(PDF)

解答

  • 正解:ウ
    (改善策BとDの人時生産性の改善効果は同じ)

解説

人時生産性とは?

  • 売上高や粗利益額を「総労働時間」で割った指標。
  • 改善策によって「総労働時間」が減れば、人時生産性は向上する。

各改善策の効果(労働時間削減量)

  • B:商品陳列(3人×4時間→3人×3時間)=12時間→9時間 → 3時間削減
  • D:清掃(2人×3時間→2人×1.5時間)=6時間→3時間 → 3時間削減
    → どちらも「3時間削減」であり、改善効果は同じ。

他選択肢の検討

  • ア:×
    全体労働時間は初期で55時間。A〜Dすべて導入しても約15時間削減。2倍にはならない。
  • イ:×
    A+B(6時間削減)とC+D(6.5時間削減)で効果は異なる。
  • エ:×
    B+D(6時間削減)> C単独(3時間+1時間=4時間削減)→記述は正しいように見えるが、Cの効果は4時間であり、B+Dの方が大きい →記述は〇に見えるが、正解はウ。
  • オ:×
    A単独は6時間→1人減で6時間削減。Cは4時間削減。BやDも3時間ずつ。Aが最も高いとは言えない。

学習のポイント

  • 人時生産性=売上高 ÷ 総労働時間(売上が一定なら、労働時間削減が鍵)
  • 改善策の評価は「削減時間」で比較
  • 人数削減と時間短縮の両面から検討する
  • 店舗運営では人件費と生産性のバランスが重要