過去問解説(経営情報システム)_2024年 第16問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(見積もり手法の定義整理)
  • 正答率:★★☆☆☆(各手法の対象と特徴を混同しやすい)
  • 重要度:★★★☆☆(工数・コスト見積りの基礎)

問題文

システム開発やソフトウェア開発において、工数やコストの面から開発規模を見積もることは重要である。以下の記述のうち、最も適切なものはどれか。

CoBRA法とは、LOC法で算出されたソフトウェア規模に補正係数を掛け合わせて開発規模を見積もる方法である。
COCOMO法とは、データの構造や流れに着目してソフトウェアの開発規模を見積もる方法である。
COSMIC法とは、開発工数が開発規模に比例すると仮定するとともに、さまざまな変動要因によって工数増加が発生することを加味して開発規模を見積もる方法である。
ファンクションポイント法とは、開発するシステムの入力や出力などの機能を抽出し、それぞれの難易度や複雑さに応じて重み付けし点数化することによって、ソフトウェアの開発規模を見積もる方法である。
類推法とは、WBSで洗い出された作業単位ごとに工数を見積もり、この合計をシステム全体の工数と考えて開発規模を見積もる方法である。

出典:中小企業診断協会|2024年度 第1次試験問題|経営情報システム(PDF)

解答

  • 正解:エ(ファンクションポイント法の説明が正しい)

解説

  • ア:×
    CoBRA法は、プロジェクトのコストに影響する要因を識別し定量化して見積もるパラメトリック手法。LOCに補正係数を掛ける単純な方法ではない。
  • イ:×
    COCOMOは想定コード量などを基に経験的モデルで工数・期間を推定する手法。データ構造や流れに着目する説明は適切ではない。
  • ウ:×
    COSMICは機能規模(データ移動の種類と件数)を測るファンクション測定法。工数比例や変動要因を加味して見積もるという説明はCoBRA的で不適切。
  • エ:〇
    ファンクションポイント法は、入力・出力・内部論理ファイル・外部インターフェースなどの機能を複雑度で重み付けし点数化して規模を算出する代表的手法。
  • オ:×
    類推法は過去の類似案件を基準に比較・補正して見積もる手法。WBSで積み上げるのは積み上げ法(ボトムアップ)であり、類推法の定義ではない。

学習のポイント

  • FP法:機能ベースで難易度を重み付けして規模算出。設計初期でも適用可能。
  • COCOMO:コード量などから経験式で工数・期間を推定。補正因子が豊富。
  • COSMIC:データ移動(Entry/Exit/Read/Write)で機能規模を測る現代的FP。
  • CoBRA:コスト変動要因の定量化によるパラメトリック見積り。
  • 手法の区別:類推法(過去比較)と積み上げ法(WBS)を取り違えない。