難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(乗数効果と図解理解)
- 正答率: ★★★☆☆(図形と式の対応)
- 重要度: ★★★☆☆(マクロの基本構造)
問題文
下図は、45度線図である。この図において、総需要は AD = C + I(ただし、AD は総需要、C は消費支出、I は投資支出)、消費関数は C = C₀ + cY(ただし、C₀ は基礎消費、c は限界消費性向(0 < c < 1)、Y は GDP)によって表されるとする。
この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a
投資支出が増えると、AD 線の傾きは急になる。
b
投資支出が LM だけ増加するとき、投資支出乗数の大きさは LM / KM である。
c
投資支出が LM だけ増加するとき、GDP は Y₀ から Y₁ に増え、消費支出は LK だけ増加する。
d
AD 線の傾きが緩やかになると、投資支出乗数は小さくなる。
〔解答群〕
ア
a:正 b:正 c:正 d:誤
イ
a:正 b:誤 c:誤 d:誤
ウ
a:誤 b:正 c:誤 d:正
エ
a:誤 b:誤 c:正 d:正
オ
a:誤 b:誤 c:正 d:誤
出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解: エ(a:×/b:×/c:〇/d:〇)
解説
・a:×
投資支出が増えるとAD線は「平行に上方シフト」するだけで、傾き(限界消費性向c)は変わらない。
傾きが急になるのは限界消費性向cが増えたとき。
・b:×
投資支出乗数は「GDPの増加幅 ÷ 投資支出の増加幅」で求める。
図ではGDPの増加幅がKM、投資支出の増加幅がLMなので、乗数は「KM ÷ LM」であり、LM ÷ KMではない。
・c:〇
投資支出がLMだけ増加すると、AD線が上方にシフトし、GDPはY₀→Y₁へ増加。
消費支出は限界消費性向cに応じて増加し、図ではLKの長さがその増加分を示している。
・d:〇
AD線の傾きは限界消費性向cに比例する。
傾きが緩やか(cが小さい)ほど、乗数(1 ÷ (1−c))は小さくなる。
学習のポイント
- AD線の構造: AD = C₀ + cY + I → 傾きはc、切片はC₀ + I
- 乗数の定義: 乗数 = 1 ÷ (1−c)
- 図の読み方:
・AD線のシフト=投資支出の変化
・GDPの変化=乗数効果
・消費支出の変化=限界消費性向 × GDP増加分