過去問解説(経済学・経済政策)_2023年(R5年) 第8問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(IS-LMモデルの構造理解)
  • 正答率: ★★★☆☆(図と理論の対応)
  • 重要度: ★★★☆☆(マクロ政策分析の基礎)

問題文

下図は、IS曲線とLM曲線を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問1)

IS曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。

貨幣需要の利子感応度が大きいほど、IS曲線の傾きはより緩やかになる。
限界消費性向が大きいほど、IS曲線の傾きはより緩やかになる。
政府支出の増加は、IS曲線を左方にシフトさせる。
投資の利子感応度が小さいほど、IS曲線の傾きはより緩やかになる。
独立消費の減少は、IS曲線を右方にシフトさせる。

(設問2)

LM曲線に関する記述として、最も適切なものはどれか。

貨幣需要の所得感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
貨幣需要の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
資産効果に伴う貨幣需要の増加は、LM曲線を右方にシフトさせる。
投資の利子感応度が大きいほど、LM曲線の傾きはより緩やかになる。
名目貨幣供給の増加は、LM曲線を左方にシフトさせる。

出典: 中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 設問1:イ
  • 設問2:イ

解説(図と理論の対応)

設問1:IS曲線に関する選択肢

  • ア:×
     貨幣需要の利子感応度はLM曲線に影響する要素であり、IS曲線の傾きには関係しない。
  • イ:〇
     限界消費性向が大きいほど、乗数効果が高まり、IS曲線はより緩やか(フラット)になる。これは消費の反応が大きくなるため。
  • ウ:×
     政府支出の増加は総需要を押し上げ、IS曲線を右方にシフトさせる。左方ではない。
  • エ:×
     投資の利子感応度が小さいほど、利子率の変化に対する投資の反応が鈍くなり、IS曲線は急になる。
  • オ:×
     独立消費の減少は総需要を減らすため、IS曲線は左方にシフトする。右方ではない。

設問2:LM曲線に関する選択肢

  • ア:×
     所得感応度が大きいほど、LM曲線は急になる(垂直に近づく)。緩やかになるのは逆。
  • イ:〇
     利子感応度が大きいほど、利子率の変化に対して貨幣需要が大きく変化し、LM曲線は緩やかになる。
  • ウ:×
     資産効果による貨幣需要の増加は、LM曲線を左方にシフトさせる(貨幣需要が増えると利子率が上がるため)。
  • エ:×
     投資の利子感応度はIS曲線に関係する。LM曲線には影響しない。
  • オ:×
     名目貨幣供給の増加はLM曲線を右方にシフトさせる。左方ではない。

学習のポイント

  • IS曲線: 財市場の均衡。傾きは限界消費性向や投資の利子感応度に依存。
  • LM曲線: 貨幣市場の均衡。傾きは貨幣需要の利子感応度と所得感応度に依存。
  • シフト要因: 政府支出・消費・投資はIS曲線、貨幣供給・貨幣需要はLM曲線に影響。