難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(需要・供給、弾力性、余剰の図解)
- 正答率: ★★★☆☆(図の読み取り+概念整理)
- 重要度: ★★★☆☆(価格弾力性と余剰の基本)
問題文
下図において、ある農産物に対する需要曲線Dの下で、垂直な供給曲線S0が収穫量の増加(Q0 → Q1)に伴ってS1にシフトした結果、市場価格はP0からP1に下落した。このときの状況に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a
この農産物の生産者は、価格の変化に対して供給量を調整することができない。
b
この農産物の供給量が増加したことで、消費者余剰は減少する。
c
供給の価格弾力性は無限大である。
d
需要の価格弾力性(絶対値)が1より小さいと、供給量の増加は生産者の収入を減少させる。
〔解答群〕
ア
a:正 b:正 c:正 d:誤
イ
a:正 b:誤 c:正 d:誤
ウ
a:正 b:誤 c:誤 d:正
エ
a:誤 b:正 c:誤 d:正
オ
a:誤 b:誤 c:誤 d:正
出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解: ウ(a:正/b:誤/c:誤/d:正)
解説
・a:〇
供給曲線S0・S1が垂直なのは、生産者が価格に関わらず供給量を調整できない(固定数量=完全に非弾力的)ことを意味する。収穫量によって外生的に数量が決まり、価格変化へ数量は反応しない。
・b:×
S0→S1への右シフトで数量はQ0→Q1へ増加、価格はP0→P1へ低下。通常、価格が下がって数量が増えると、消費者余剰は拡大する(需要曲線下の面積が増える)。したがって「減少」は誤り。
・c:×
垂直な供給曲線は価格が変わっても数量が変わらないため、供給の価格弾力性は「ゼロ」。無限大なのは完全水平(価格にわずかな変化でも数量が無限に変わる)な供給の場合。
・d:〇
需要の価格弾力性(絶対値)が1未満(非弾力的)のとき、価格が下がると総収入(価格×数量)は減少しやすい。今回は供給増で価格が下がるため、生産者の収入は下がる方向。図でも価格低下の影響が大きく、収入減の可能性が高い。
学習のポイント
- 垂直供給=数量固定: 供給の価格弾力性はゼロ。価格が動いても数量は動かない。
- 余剰の直感: 価格低下+数量増加は一般に消費者余剰を拡大、逆に生産者余剰は縮小しやすい。
- 弾力性と総収入: 需要が非弾力的なら、価格が下がると総収入は減少。価格上昇なら増加。