過去問解説(経済学・経済政策)_2023年(R5年) 第13問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(余剰・死荷重・価格規制の図解)
  • 正答率: ★★★☆☆(図形と概念の対応)
  • 重要度: ★★★☆☆(ミクロ政策の基本)

問題文

一定の賃貸住宅について、下図の需要曲線Dと供給曲線Sの下で当初の市場価格(家賃)がP₀、均衡取引量がQ₀であったとする。ここで、政府が価格P₁を上限とする家賃規制を導入した場合の効果に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

家賃規制導入後の消費者余剰は、三角形AP₁Fで示される。
家賃規制導入後の生産者余剰は、三角形P₁BCで示される。
家賃規制導入後の住宅供給者の収入は、四角形P₁OQ₁Cで示される。
家賃規制導入によって生じた死荷重は、三角形ECFで示される。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:正  d:誤
a:正  b:誤  c:誤  d:誤
a:誤  b:正  c:正  d:正
a:誤  b:正  c:正  d:誤
a:誤  b:誤  c:誤  d:正

出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: エ(a:×/b:〇/c:〇/d:×)

解説

・a:×
 消費者余剰は「価格と需要曲線の下の面積」で定義される。家賃規制後の消費者余剰は三角形AP₁Fだけでなく、P₁からQ₁までの長方形部分も含むため、AP₁Fのみでは不十分。

・b:〇
 供給量がQ₁に制限され、価格がP₁に固定されるため、生産者余剰は三角形P₁BCで示される。これは供給者が受け取る価格と供給曲線の間の面積。

・c:〇
 住宅供給者の収入は「価格×供給量」であり、P₁×Q₁に相当する。図では四角形P₁OQ₁Cがそれに該当する。

・d:×
 死荷重(効率損失)は、規制によって失われた取引の余剰であり、三角形ECFではなく、通常は均衡点から規制後の取引量までの間に生じる三角形(例えばBFCなど)で表される。ECFは範囲が異なる。


学習のポイント

  • 価格規制の影響: 上限価格は供給量を減らし、需給ギャップを生む。
  • 余剰の定義: 消費者余剰=需要曲線上の面積、生産者余剰=供給曲線下の面積。
  • 死荷重: 本来成立していた取引が失われることで、社会全体の余剰が減少する。