過去問解説(経済学・経済政策)_2023年(R5年) 第16問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(エンゲル曲線と所得弾力性)
  • 正答率: ★★★★☆(定義の当てはめ)
  • 重要度: ★★★☆☆(消費と所得の基本関係)

問題文

下図は、所得水準と、ある財の消費量の関係を表したエンゲル曲線である。この図から読み取れる記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

所得 Y₁ の領域では、この財は奢侈(しゃし)財であると判断される。
所得 Y₂ の領域では、この財は上級財であると判断される。
所得 Y₃ の領域では、この財は必需財であると判断される。

〔解答群〕

a:正  b:正  c:正
a:正  b:誤  c:誤
a:誤  b:正  c:正
a:誤  b:正  c:誤
a:誤  b:誤  c:正

出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: エ(a:×/b:〇/c:×)

解説

a:×
 奢侈財は所得弾力性が1より大きく、所得上昇に対して消費が相対的に大きく増える領域を指す。Y₁(低所得域)では曲線の立ち上がりが小さく、奢侈財と断定できない(むしろ反応が弱い)。

b:〇
 上級財は所得が増えると消費が増える財(所得弾力性が正)。Y₂付近はエンゲル曲線が上昇局面にあり、所得増に対して消費が増えているため上級財に該当する。

c:×
 必需財は所得弾力性が0~1で、所得が増えても消費の増え方が小さいが正。Y₃では曲線がピーク後に低下しており、所得が増えるほど消費が減っているため、必需財ではなく「劣等財」の領域に近い。


学習のポイント

  • 上級財・必需財・奢侈財: 上級財(弾力性>0)、必需財(0<弾力性<1)、奢侈財(弾力性>1)。
  • 劣等財の見分け方: 所得が増えて消費が減る(弾力性<0)領域はエンゲル曲線が右上がりから右下がりに転じる。
  • 図の読み方: 曲線の傾き(上昇/下降)と変化の強さで、所得弾力性の符号と大小を判断する。