難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(独占の規制価格:AC価格・MC価格)
- 正答率: ★★★☆☆(図の領域対応)
- 重要度: ★★★☆☆(自然独占・料金設計)
問題文
下図は、ある地域で独占的な地位にある電力会社の平均費用AC、限界費用MC、限界収入MRおよび同地域での電力の需要曲線Dを示している。この図から読み取れる記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a
平均費用価格形成原理の下で、この企業の総収入と総費用はともに四角形P2OQ2Gで示される。
b
平均費用価格形成原理の下で、生産者余剰は四角形P1P2GFで示される。
c
限界費用価格形成原理の下で、消費者余剰は三角形EP1Fで示される。
d
限界費用価格形成原理の下で、この企業には四角形P3P4IHに相当する損失が生じる。
〔解答群〕
ア
a:正 b:正 c:正 d:誤
イ
a:正 b:誤 c:誤 d:正
ウ
a:誤 b:正 c:正 d:誤
エ
a:誤 b:正 c:誤 d:誤
オ
a:誤 b:誤 c:誤 d:正
出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解: イ(a:〇/b:×/c:×/d:〇)
解説
・a:〇
平均費用価格形成原理(AC価格=P2)では、価格P2で生産量Q2を供給。総収入は長方形P2OQ2G(P2×Q2)、総費用も平均費用×数量=AC(Q2)×Q2=P2×Q2で同じ長方形となり、利潤はゼロになる。
・b:×
AC価格では利潤ゼロのため、生産者余剰(利潤)は生じない。四角形P1P2GFのような領域を生産者余剰とみなすのは誤り。
・c:×
限界費用価格形成原理(MC価格=P3)では価格がP1ではなくP3に設定される。消費者余剰は需要曲線と価格P3で区切られる大きい領域となり、三角形EP1Fには一致しない。
・d:〇
MC価格ではP3<AC(Q)となるため、平均費用を回収できず赤字が生じる。損失は(AC−P3)×供給量に相当し、図では四角形P3P4IHで示される。
学習のポイント
- AC価格の狙い: 自然独占で平均費用価格に設定すると、収入=費用となり利潤ゼロで参入阻止と消費者保護を両立。
- MC価格の問題: 効率的だが赤字が発生するため、補助金や二部料金(基本料金+従量料金)で損失補填が必要。
- 領域の読み方: 総収入=価格×数量の長方形、損失=(AC−価格)×数量の長方形、消費者余剰=需要曲線下−支払額。