過去問解説(経済学・経済政策)_2023年(R5年) 第22問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(利得表と最適反応/ナッシュ均衡)
  • 正答率: ★★★★☆(典型的囚人のジレンマ型)
  • 重要度: ★★★☆☆(競争政策の直感)

問題文

特定の財の市場において競合関係にある企業同士が、同一価格での販売を約束するカルテルを結ぶことは、互いの企業にとって有利となる場合がある。ここで企業Xと企業Yは、それぞれ一定の販売価格で合意したカルテルを守るか、あるいはそれを破ってより低い価格で販売するかを選択するものとする。

下表は、両企業の利得表であり、カッコ内の左側が企業Xの利得、右側が企業Yの利得を表している。このゲームに関する記述として、最も適切な組み合わせを下記の解答群から選べ。

企業Xが「カルテルを守る」場合において、企業Yの最適反応は「カルテルを破る」である。
企業Yが「カルテルを守る」場合において、企業Xの最適反応は「カルテルを守る」である。
このゲームにおけるナッシュ均衡は、企業X、企業Yともに「カルテルを守る」ケースである。
このゲームにおけるナッシュ均衡は、企業X、企業Yともに「カルテルを破る」ケースである。

〔解答群〕

aとc
aとd
bとc
bとd

出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解: イ(a・d)

解説

  • a:〇
    Xが「守る」→ Yは利得40(守る)と60(破る)を比較し、60の「破る」が最適反応。
  • b:×
    Yが「守る」→ Xは利得50(守る)と60(破る)を比較し、最適反応は「破る」。よって×。
  • c:×
    (守る, 守る)=(50,40)では、双方とも一方的に「破る」へ変更する誘因がある(それぞれ60へ)。ナッシュ均衡ではない。
  • d:〇
    (破る, 破る)=(0,0)は、相手が「破る」時に自分も「破る」が最適(0>−20)。ナッシュ均衡。

学習のポイント

  • 最適反応: 相手固定のときに自分の利得を最大化する選択。
  • ナッシュ均衡: 互いに最適反応の組。片側変更で利得は改善しない。
  • カルテルの脆弱性: 個別逸脱インセンティブがあると協調は均衡になりにくい。