難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(国民経済計算の定義理解)
- 正答率: ★★★★☆(統計基準の知識)
- 重要度: ★★★☆☆(GDPとSNAの基礎)
問題文
国民経済計算の考え方に関する記述として、最も適切なものはどれか。
ア
生き物である乳牛や果樹などの動植物の価値は、GDPの計算に算入されない。
イ
国民経済計算における国民の概念は、当該国の居住者を対象とする概念であり、GDPの計算上は国籍によって判断される。
ウ
山林の土地の価値は、土地に定着するものとして、民有林の立木の評価額を含む。
エ
消費者としての家計が住宅や自動車を購入すると、耐久消費財の最終消費支出となり、総固定資本形成に計上される。
オ
持ち家の帰属家賃や農家の自家消費は、市場において対価の支払いを伴う取引が実際に行われているわけではないが、家計最終消費支出に含まれる。
出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解:オ(a:×/b:×/c:×/d:×/e:〇)
解説
- a:×
乳牛や果樹などの生産に繰り返し使用される動植物は「生産資産」としてGDPに算入される。SNA(国民経済計算体系)では資産として認識される。 - b:×
GDPは「居住者ベース」で計算され、国籍ではなく「経済的居住」の概念に基づく。国民=居住者であり、国籍は関係しない。 - c:×
土地自体は非生産資産としてGDPには含まれない。立木などの生産資産は別途評価されるが、土地の価値に含めるのは誤り。 - d:×
住宅は「総固定資本形成」に計上されるが、自動車などの耐久消費財は「最終消費支出」に分類され、資本形成には含まれない。 - e:〇
持ち家の帰属家賃や農家の自家消費は、実際の市場取引がなくても「帰属計算」によりGDPに含まれる。これは家計最終消費支出として扱われる。
学習のポイント
- GDPの範囲: 実取引+帰属計算(持ち家・自家消費など)を含む。
- 居住者ベース: 国民経済計算では「国籍」ではなく「居住者」が対象。
- 資本形成と消費支出の違い: 住宅=資本形成、自動車=消費支出。
- SNAの基本分類: 生産資産・非生産資産・帰属支出の扱いを整理。