過去問解説(経済学・経済政策)_2022年(R4年) 第6問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(45度線図と乗数効果)
  • 正答率: ★★★☆☆(図形と式の対応)
  • 重要度: ★★★☆☆(財政政策とGDP決定)

問題文

下図は、45度線図である。この図において、総需要は AD = C + I + G(ただし、AD は総需要、C は消費支出、I は投資支出、G は政府支出)、消費関数は C = C₀ + cY(ただし、C₀ は基礎消費、c は限界消費性向(0 < c < 1)、Y は GDP)によって表されるとする。図中における Y₀ は現実の GDP、Yᶠ は完全雇用 GDPである。

この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

(設問1)

この図に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

総需要線 AD の傾きは、c に等しい。
投資支出1単位の増加によるGDPの増加は、政府支出1単位の増加によるGDPの増加より大きい。
総需要線 AD の縦軸の切片の大きさは、C₀である。

〔解答群〕

a:正 b:正 c:誤
a:正 b:誤 c:正
a:正 b:誤 c:誤
a:誤 b:正 c:誤
a:誤 b:誤 c:正

(設問2)

GDPの決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。

ADF − AD₀ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
ADF − AD₁ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
ADF − AD₂ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
AD₀ − AD₁ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。
AD₀ − AD₂ の大きさだけの政府支出の増加によって、完全雇用 GDP を実現できる。

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 設問1:ウ(a:〇/b:×/c:×)
  • 設問2:エ

解説(設問1)

  • a:〇
     総需要ADは「AD = C₀ + cY + I + G」であり、Yに対する傾きは限界消費性向cに等しい。
  • b:×
     投資支出も政府支出も、乗数効果は同じ(限界消費性向に依存)。1単位あたりのGDP増加は等しい。
  • c:×
     縦軸切片は「C₀ + I + G」であり、C₀単独ではない。

解説(設問2)

  • 完全雇用GDP(Yᶠ)を達成するには、AD₀からADᶠまで総需要を引き上げる必要がある。
  • 政府支出の増加によってAD₀からADᶠへ移動するには、AD₀とAD₁の差分だけ政府支出を増やせばよい。
  • よって、正解は「エ:AD₀ − AD₁ の大きさだけの政府支出の増加」。

学習のポイント

  • 45度線図: 総需要曲線とY=ADの均衡点を視覚的に示す。
  • 限界消費性向c: 総需要曲線の傾きに直結。
  • 乗数効果: 政府支出・投資支出ともに同じ乗数でGDPに影響。
  • 切片の構成: C₀(基礎消費)+I+Gが縦軸切片。