過去問解説(経済学・経済政策)_2021年(R3年) 第23問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★★☆☆(貿易自由化と余剰分析)
  • 正答率: ★★★☆☆(領域の意味理解が必要)
  • 重要度: ★★★★☆(消費者余剰・生産者余剰・総余剰の変化)

問題文

自由貿易協定によって、それまで輸入が禁止されていた果物の輸入が自由化されることになった。下図には、この果物に関する国内市場の需要曲線 D と供給曲線 S が描かれている。輸入自由化によって、国内価格が P₀ から国際価格 P₁ になったときの消費者余剰と生産者余剰に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕

自由貿易協定によって、消費者余剰は⑶と⑷の分だけ増加する。
自由貿易協定によって、生産者余剰は⑴よりも大きくなり、消費者余剰は⑸よりも大きくなる。
自由貿易協定による、生産者から消費者への再分配効果は⑴と⑵である。
自由貿易協定による生産者余剰の減少分は⑵である。
自由貿易協定による総余剰の増加分は、⑵、⑶を加えたものである。

出典: 中小企業診断協会|2021年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:エ(自由貿易協定による生産者余剰の減少分は⑵である)

解説

自由貿易前の余剰

  • 消費者余剰:⑸
  • 生産者余剰:⑴+⑵
  • 総余剰:⑴+⑵+⑸

自由貿易後の余剰

  • 消費者余剰:⑵+⑶+⑷+⑸
  • 生産者余剰:⑴
  • 総余剰:⑴+⑵+⑶+⑷+⑸
  • ア:×
    消費者余剰の増加分は⑵+⑶+⑷。⑶+⑷だけでは不十分。
  • イ:×
    生産者余剰は⑴に減少しており、⑴より大きくなることはない。
  • ウ:×
    再分配効果は⑵のみ(生産者から消費者への移転)。⑴は自由化後も生産者余剰として残る。
  • エ:〇
    生産者余剰の減少分=⑵。価格低下により供給者が失う利益。
  • オ:×
    総余剰の増加分=⑶+⑷(純粋な貿易利益)。⑵は再分配であり、純増ではない。

学習のポイント

  • 消費者余剰の変化: 価格低下により需要者が得る利益=⑵+⑶+⑷。
  • 生産者余剰の変化: 価格低下により供給者が失う利益=⑵。
  • 総余剰の変化: 社会的純利益=⑶+⑷(貿易による効率改善)。
  • 再分配と純増: ⑵は生産者→消費者への移転、⑶+⑷は社会的な純増。