難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★☆☆☆(支配戦略とナッシュ均衡)
- 正答率: ★★★★☆(利得比較で一意に判定)
- 重要度: ★★★☆☆(ゲーム理論の基本)
問題文
夫婦による家事分担は重要である。会社員の太郎さんと主婦の花子さんには、夕方の家事に関して「協力する」「相手に任せる」という選択肢がある。2人がともに「協力する」場合はともに30、どちらか一方が「相手に任せる」場合は任せた方が50・1人で家事をする方が-30、双方が「相手に任せる」場合はともに-10の利得となる。 下表は、以上の説明を、利得マトリックスにまとめたものである。マトリックス の左側が太郎さんの利得、右側が花子さんの利得である。下表に関する記述とし て、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア
太郎さんと花子さんには、共通の支配戦略がある。
イ
太郎さんと花子さんは、お互いに異なる戦略をとると利得が増加する。
ウ
太郎さんの最適反応は「相手に任せる」、花子さんの最適反応は「協力する」である。
エ
ナッシュ均衡は、ともに「協力する」組み合わせである。
出典:中小企業診断協会|2020年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解:ア
解説
- ア:〇
各プレイヤーの利得比較より、相手が「協力する」でも「相手に任せる」でも、自分は「相手に任せる」が優位(50>30、-10>-30)。太郎さん・花子さんともに「相手に任せる」が支配戦略=共通の支配戦略を持つ。 - イ:×
異なる戦略(片方が協力・片方が任せる)は、任せた側+50・協力側−30で、協力側の利得は低下する。双方の利得が増加するわけではない。 - ウ:×
花子さんの最適反応も常に「相手に任せる」。相手が協力なら50>30、相手が任せるなら−10>−30。よって「花子は協力する」は誤り。 - エ:×
ナッシュ均衡は双方の最適反応が一致する組合せ。ここでは(相手に任せる,相手に任せる)が均衡(−10,−10)。「ともに協力する」(30,30)は相手に任せるへの逸脱で利得が上がるため均衡ではない。
学習のポイント
- 支配戦略: 相手の行動に関わらず常に最良となる戦略。両者が同じ支配戦略を持つと、その組合せがナッシュ均衡になりやすい。
- ナッシュ均衡: 各自が最適反応を取っており、単独の逸脱で利得が改善しない状態。本問は典型的な「囚人のジレンマ型」構造。