過去問解説(経済学・経済政策)_2019年(R1年) 第6問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(金融政策と貨幣概念)
  • 正答率: ★★★★☆(基本知識で判定可能)
  • 重要度: ★★★☆☆(信用乗数の理解)

問題文

日本経済は、日本銀行による金融政策から影響を受けている。貨幣に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

中央銀行が買いオペを実施すると、マネタリー・ベースが増加する。
マネー・ストックM1は、現金通貨、預金通貨、準通貨、譲渡性預金の合計である。
マネー・ストックをマネタリー・ベースで除した値は「信用乗数」と呼ばれる。
準備預金が増えると、信用乗数は大きくなる。

〔解答群〕

aとc
aとd
bとc
bとd

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:ア(aとc)

解説

  • a:〇
    中央銀行が買いオペ(公開市場操作で国債などを買い入れる)を行うと、民間銀行に資金が供給され、マネタリー・ベース(現金通貨+日銀当座預金)が増加する。正しい。
  • b:×
    M1は「現金通貨+預金通貨」のみ。準通貨や譲渡性預金を含むのはM2やM3などの広義のマネー・ストック。記述は誤り。
  • c:〇
    マネー・ストックをマネタリー・ベースで割った値は信用乗数。これは金融機関の貸出を通じて、基礎通貨がどれだけ拡大されるかを示す。正しい。
  • d:×
    準備預金が増えると、銀行は貸出余力が減り、信用乗数は小さくなる。記述は逆。

学習のポイント

  • マネタリー・ベース: 中央銀行が直接供給する通貨(現金通貨+日銀当座預金)。
  • マネー・ストック: 経済全体で流通する通貨量。M1は狭義(現金+預金通貨)。
  • 信用乗数: マネー・ストック ÷ マネタリー・ベース。準備率が高いと小さく、低いと大きくなる。