過去問解説(経済学・経済政策)_2019年(R1年) 第9問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(自然失業率とインフレの関係)
  • 正答率: ★★★★☆(定義と理論の理解で判定可能)
  • 重要度: ★★★☆☆(長期的な政策評価に関わる)

問題文

自然失業率仮説に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

インフレと失業の間には、短期的にも長期的にも、トレード・オフの関係が成立する。
自然失業率とは、非自発的失業率と自発的失業率の合計である。
循環的失業の拡大は、実際のインフレ率を抑制する。
政府による総需要拡大策は、長期的にはインフレを加速させる。

〔解答群〕

aとb
aとd
bとc
cとd

出典: 中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:エ(cとd)

解説

  • a:×
    フィリップス曲線に基づく短期的なトレードオフ(インフレと失業)は存在するが、自然失業率仮説では長期的にはトレードオフは成立しないとされる。よって「短期的にも長期的にも成立する」は誤り。
  • b:×
    自然失業率は、労働市場が均衡しているときに存在する失業率であり、構造的失業や摩擦的失業を含む。自発・非自発の分類は直接の定義ではない。
  • c:〇
    循環的失業が拡大する(景気後退)と、需要が減少し、インフレ圧力が弱まり、物価上昇率は低下する。正しい。
  • d:〇
    自然失業率仮説では、総需要拡大策によって短期的には失業率が下がるが、長期的にはインフレ率が上昇するだけで失業率は自然失業率に戻る。正しい。

学習のポイント

  • 自然失業率仮説(フリードマン・ピルズ):
    ・長期的には失業率は自然失業率に収束。
    ・政策による失業率低下は一時的で、インフレ加速を招く。
  • 短期 vs 長期の違い:
    ・短期:インフレと失業にトレードオフあり。
    ・長期:トレードオフなし、インフレのみが残る。