過去問解説(経済学・経済政策)_2019年(R1年) 第10問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度: ★★☆☆☆(余剰の変化と曲線シフト)
  • 正答率: ★★★★☆(図の直感で判断可能)
  • 重要度: ★★★☆☆(基礎的な市場分析)

問題文

市場取引から発生する利益は、「経済余剰」といわれる。この経済余剰は、売り手にも買い手にも生じ、売り手の経済余剰は「生産者余剰」、買い手の経済余剰は「消費者余剰」と呼ばれる。

下図に基づき、需要曲線または供給曲線のシフトに伴う余剰の変化に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。なお、点Eが初期の均衡を示している。

所得の増加によって需要曲線が右方シフトすると、生産者余剰は減少する。
技術進歩によって供給曲線が右方シフトすると、消費者余剰は増加する。
好みの変化によって需要曲線が左方シフトすると、生産者余剰は減少する。
原材料費の上昇によって供給曲線が左方シフトすると、消費者余剰は増加する。

〔解答群〕

aとb
aとd
bとc
cとd

出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)

解答

  • 正解:ウ(bとc)

解説

  • a:×
    所得の増加は需要曲線を右方へシフトさせ、価格と取引量が上昇するため、生産者余剰はむしろ増加する。減少とするのは誤り。
  • b:〇
    技術進歩により供給曲線が右方へシフトすると、価格が下がり取引量が増える。消費者はより安く多く購入できるため、消費者余剰は増加する。正しい。
  • c:〇
    好みの変化(需要減少)により需要曲線が左方へシフトすると、価格と取引量が下がり、生産者余剰は減少する。正しい。
  • d:×
    原材料費の上昇は供給曲線を左方へシフトさせ、価格が上昇し取引量が減少する。消費者は高く少ししか買えなくなるため、消費者余剰は減少する。増加とするのは誤り。

学習のポイント

  • 消費者余剰: 需要曲線と価格の差に基づく買い手の得。価格が下がると増加。
  • 生産者余剰: 価格と供給曲線の差に基づく売り手の得。価格が上がると増加。
  • 曲線シフトの影響:
    ・需要右シフト → 価格↑ 量↑ → 両余剰増
    ・供給右シフト → 価格↓ 量↑ → 消費者余剰増、生産者余剰は場合による
    ・需要左シフト → 価格↓ 量↓ → 生産者余剰減
    ・供給左シフト → 価格↑ 量↓ → 消費者余剰減