難易度・正答率・重要度
- 難易度: ★★★☆☆(上限制約下の余剰分析)
- 正答率: ★★★☆☆(図の領域認識が鍵)
- 重要度: ★★★☆☆(価格設定と社会的損失)
問題文
下図は、供給曲線の形状が特殊なケースを描いたものである。座席数に上限があるチケットなどは、ある一定数を超えて販売することができないため、上限の水準において垂直になる。なお、需要曲線は右下がりであるとする。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

〔解答群〕
ア
供給曲線が垂直になってからは、生産者余剰は増加しない。
イ
このイベントの主催者側がチケットの価格をP1に設定すると、超過需要が生じる。
ウ
チケットがP3で販売されると、社会的余剰は均衡価格の場合よりGEFHの分だけ少ない。
エ
チケットがQ2だけ供給されている場合、消費者は最大P2まで支払ってもよいと考えている。
出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経済学・経営政策(PDF)
解答
- 正解:ウ
解説
- a:×
供給曲線が垂直でも、価格が上昇すれば生産者余剰は増加する。数量が固定でも価格差が広がるため。 - b:〇
技術進歩により供給曲線が右方シフトすると、価格が下がり取引量が増える。消費者余剰は増加する。 - c:〇
需要曲線が左方シフトすると、価格と取引量が下がり、生産者余剰は減少する。 - d:×
原材料費の上昇で供給曲線が左方シフトすると、価格が上昇し取引量が減少。消費者余剰は減少する。
学習のポイント
- 垂直供給の意味: 座席数などの上限で供給量が固定される。価格変更は余剰に影響するが、社会的余剰は均衡からの乖離で減少する。
- 社会的損失の可視化: 均衡価格から外れた価格設定(高すぎる・低すぎる)は、取引量の減少を招き、図中のGEFH領域がデッドウェイトロス(死荷重損失)として表される。