過去問解説(経営法務)_2023年(R5年) 第15問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(複数知識の統合や、誤答肢の吟味が必要。)
  • 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的な難易度。)
  • 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)

問題文

以下の会話は、英会話スクールを立ち上げる予定の甲氏と、中小企業診断士であるあなたとの間で行われたものである。

この会話の中の空欄AとBに入る記述の組み合わせとして、最も適切なものを次ページの解答群から選べ。


甲 氏:「英会話スクールの名前である「〇〇〇〇〇」という文字商標を、「語学の教授」という役務を指定して商標登録出願する予定です。この他に「翻訳、通訳」の業務も行う予定なので、スクール名と同じ「〇〇〇〇〇」の商標を「翻訳、通訳」の役務を指定して商標登録出願したいと思います。

     これらの役務を1つの商標登録出願に含めることは可能ですか。」

あなた:「A。」

・・・中略・・・

甲 氏:「この他、うちのスクールの宣伝として流すオリジナルのメロディーを、私が作曲しました。これも商標として登録することは認められますか。」

あなた:「B。」

・・・中略・・・

あなた:「いずれにしても弁理士をご紹介しますので、詳しくはその方にお尋ねになってください。」


〔解答群〕

A:商標が同じであっても、複数の役務を1つの出願に含めることはできません B:音からなる商標を登録することは、制度上認められています
A:商標が同じであっても、複数の役務を1つの出願に含めることはできません B:音からなる商標を登録することは、制度上認められません
A:商標が同じであれば、複数の役務を1つの出願に含めることができます B:音からなる商標を登録することは、制度上認められています
A:商標が同じであれば、複数の役務を1つの出願に含めることができます B:音からなる商標を登録することは、制度上認められません

出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:ウ


解説

ア:✕
 商標が同じであれば、複数の役務(サービス)を1つの出願に含めることが可能である。できないとする本肢は誤り。

イ:✕
 音からなる商標(サウンドロゴなど)は、制度上認められている。認められないとする本肢は誤り。

ウ:〇
 商標が同じであれば、複数の役務を1つの出願に含めることができる。また、音からなる商標も制度上認められており、両方とも正しい記述である。

エ:✕
 役務の一括出願は可能だが、音商標が認められないとする点が誤り。制度上、音商標は認められている。


学習のポイント

  • 商標出願では、同一商標に対して複数の指定商品・指定役務をまとめて出願できる。
  • 音商標(サウンドロゴなど)は、2015年の制度改正以降、商標として登録可能。
  • 非伝統的商標(音・色彩・動きなど)も制度上認められているが、識別性の審査がある点に注意。