過去問解説(経営法務)_2023年(R5年) 第19問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(複数知識の統合や、誤答肢の吟味が必要。)
  • 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的な難易度。)
  • 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)

問題文

不当景品類及び不当表示防止法(以下「景表法」という。)で定義される表示に関する記述として、最も適切なものはどれか。


景表法上、比較広告を行うことは一律禁止されている。
消費者庁長官から、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求められ、当該資料を提出しなかった場合、景表法に違反する表示とみなされる。
商品の品質に関して不当表示が行われた場合、景表法の規制対象となるのは不当な表示を行った事業者であって、その表示内容の決定に関与しただけの事業者は、景表法の規制対象とはならない。
優良誤認表示及び有利誤認表示に該当するには、表示をした事業者の故意又は過失が必要である。

出典:中小企業診断協会|2023年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:イ


解説

ア:✕
 景表法上、比較広告そのものは一律禁止されていない。内容が不当表示に該当する場合に限り規制対象となるため、本肢は誤り。

イ:〇
 表示の合理的根拠に関する資料提出を求められたにもかかわらず、提出しなかった場合には、景表法違反とみなされる。正しい記述である。

ウ:✕
 表示内容の決定に関与した事業者も、景表法の規制対象となる可能性がある。関与者が対象外とする本肢は誤り。

エ:✕
 景表法における優良誤認表示・有利誤認表示は、故意・過失の有無にかかわらず規制対象となる。よって本肢は誤り。


学習のポイント

  • 景表法では、表示の合理的根拠資料の提出義務があり、未提出の場合は違反とみなされる。
  • 比較広告は内容次第で規制対象となるが、一律禁止ではない。
  • 故意・過失の有無にかかわらず、表示が不当であれば規制対象となる。
  • 表示の決定に関与した事業者も、規制対象となる可能性がある点に注意。