過去問解説(経営法務)_2022年(R4年) 第8問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★☆☆☆(基本知識の組み合わせ。やや思考を要する。)
  • 正答率:★★★★☆(正答率70〜90%。比較的易しい。)
  • 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)

問題文

産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。

意匠法には、国内優先権制度が規定されている。
実用新案法には、出願公開制度が規定されている。
商標法には、出願審査請求制度が規定されている。
特許法には、不実施の場合の通常実施権の設定の裁定制度が規定されている。

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:エ
特許法には、不実施の場合の通常実施権の設定に関する裁定制度が規定されている。


解説

ア:×
意匠法には国内優先権制度は規定されていない。これは特許法や商標法に認められている制度であり、意匠法には存在しない。

イ:×
実用新案法には出願公開制度は存在しない。特許法にはあるが、実用新案は早期権利化を目的としており、公開制度は採用されていない。

ウ:×
商標法には出願審査請求制度は存在しない。これは特許法に特有の制度であり、商標法では出願と同時に審査が行われる。

エ:〇
特許法には、発明が実施されていない場合に、第三者が通常実施権の設定を裁定によって求めることができる制度がある。技術の活用を促進するための制度であり、正しい記述。


学習のポイント

  • 各産業財産権法には、それぞれ異なる制度が規定されており、制度の有無を正確に把握することが重要。
  • 特許法には、技術の社会的活用を促すための裁定制度がある。
  • 意匠法・実用新案法・商標法との制度比較は頻出論点。制度の目的と仕組みを整理しておくと、誤答肢の見極めが容易になる。