過去問解説(経営法務)_2022年(R4年) 第11問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★★☆☆(複数知識の統合や、誤答肢の吟味が必要。)
  • 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的な難易度。)
  • 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)

問題文

不正競争防止法に関する記述として、最も適切なものはどれか。


不正競争防止法第2条第1項第1号に規定する、いわゆる周知表示混同惹起行為において、「人の業務に係る氏名」は「商品等表示」には含まれない。
不正競争防止法第2条第1項第3号に規定する、いわゆるデッドコピー規制による保護期間は、外国において最初に販売された日から起算して3年を経過するまでである。
不正競争防止法第2条第1項第3号に規定する、いわゆるデッドコピー規制の要件である「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠して、これと実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう旨が、不正競争防止法に規定されている。
不正競争防止法第2条第1項第11号乃至第16号で保護される限定提供データは、技術上の情報のみを指す。

出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:ウ
「模倣する」の定義は不正競争防止法に明示されている。


解説

ア:×
「人の業務に係る氏名」は「商品等表示」に含まれる。氏名や商号なども対象となるため、含まれないとする記述は誤り。

イ:×
デッドコピー規制の保護期間は、日本国内で最初に販売された日から3年間。外国での販売日を起算点とする記述は誤り。

ウ:〇
「模倣する」とは、他人の商品の形態に依拠し、実質的に同一の形態の商品を作り出すことをいう旨が、法文上に明示されている。正しい記述。

エ:×
限定提供データは、技術上の情報に限らず、営業上の情報も含まれる。技術情報のみとする記述は誤り。


学習のポイント

  • 不正競争防止法では、氏名・商号・商品形態・営業秘密・限定提供データなど、広範な対象が保護される。
  • デッドコピー規制は、商品の形態を模倣した行為に対して、一定期間保護を与える制度。
  • 「模倣する」の定義が法文上に明記されている点は、誤答肢との見分けに有効。
  • 限定提供データは、技術情報だけでなく営業情報も含まれるため、範囲の誤認に注意。