難易度・正答率・重要度
- 難易度:★★★☆☆(複数知識の統合や、誤答肢の吟味が必要。)
- 正答率:★★★☆☆(正答率50〜70%。標準的な難易度。)
- 重要度:★★★★☆(頻出論点。制度理解に直結。)
問題文
特許権及び著作権の共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。なお、共有者間の契約で別段の定めはないものとする。
ア
特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。
著作権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。
著作権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、その持分を譲渡することができる。
イ
特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得ないで、自らその特許発明の実施をすることができる。
著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。
著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらないで、自ら複製等の著作権の利用をすることができる。
ウ
特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、その特許権について、他人に通常実施権を許諾することができない。
著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。
著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、他人に複製等の著作権の利用を許諾することができない。
エ
特許権:各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、自らその特許発明の実施をすることができない。
著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。
著作権:各共有者は、その共有者全員の合意によらなければ、自ら複製等の著作権の利用をすることができない。
出典:中小企業診断協会|2022年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)
解答
正解:ウ
特許権・著作権ともに、他人への利用許諾には共有者全員の同意が必要。
解説
ア:×
特許権の持分譲渡は、他の共有者の同意なしに可能だが、著作権の持分譲渡には共有者全員の同意が必要。両方譲渡可能とする記述は誤り。
イ:×
特許権は、共有者が単独で実施可能だが、著作権の利用(複製等)は共有者全員の合意が必要。著作権の記述が誤り。
ウ:〇
特許権について、他人に通常実施権を許諾するには共有者全員の同意が必要。著作権についても、他人への利用許諾には全員の合意が必要。正しい記述。
エ:×
特許権は、共有者が単独で実施可能。自らの実施に他の共有者の同意は不要。記述は誤り。
学習のポイント
- 特許権の共有では、自己実施は単独で可能だが、他人への実施許諾には共有者全員の同意が必要。
- 著作権の共有では、自己利用も他人への利用許諾も、共有者全員の合意が必要。
- 実務では、共有契約で別段の定めを置くことが多く、契約内容によって運用が変わるため、原則と例外を区別して理解することが重要。