過去問解説(経営法務)_2019年(R1年) 第15問

難易度・正答率・重要度

  • 難易度:★★☆☆☆(制度の有無を問う知識問題。)
  • 正答率:★★★★☆(正答率70〜90%。比較的易しい。)
  • 重要度:★★★☆☆(制度の横断理解として基本。)

問題文

産業財産権法に関する記述として、最も適切なものはどれか。


特許法には、特許異議申立制度が規定されている。
実用新案法には、審査請求制度が規定されている。
意匠法には、出願公開制度が規定されている。
商標法には、新規性喪失の例外規定が規定されている。

出典:中小企業診断協会|2019年度 第1次試験問題|経営法務(PDF)


解答

正解:ア
特許法には、特許異議申立制度が規定されている。


解説

ア:〇
特許異議申立制度は、特許が登録された後に第三者がその有効性を争う制度です。公的な審査を経た後でも、利害関係人以外でも申立てが可能で、制度の透明性と信頼性を高める役割を果たします。

イ:×
実用新案法には審査請求制度は存在しません。出願後は形式審査のみで登録されるため、特許法のような審査請求制度は不要とされています。

ウ:×
意匠法には出願公開制度はありません。特許法では出願後一定期間で公開されますが、意匠は登録されるまで非公開であり、制度の性質が異なります。

エ:×
新規性喪失の例外規定は、特許法・意匠法・実用新案法には存在しますが、商標法には存在しません。商標は使用によって権利が発生する性質があり、新規性の概念とは異なります。


学習のポイント

  • 特許異議申立制度は、登録後の特許の有効性を第三者が争える制度。
  • 実用新案は無審査登録制度であり、審査請求制度は存在しない。
  • 意匠法は登録まで非公開。出願公開制度はなし。
  • 商標法には新規性喪失の例外制度はなく、使用実績が重視される。